孫税理士事務所
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税務相談室
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Q 社員旅行として行う海外旅行の費用負担は課税になりますか?
A 従業員のためのレクレーション費用を負担した場合には、
その行事が社会通念上一般的に行われていると認められるものであるときは、
これらの行事に参加した従業員がうける経済的利益については、原則として、課税しなくてもよいとされています。

しかし、慰安旅行先が海外である場合には、最近まで海外旅行は、
一般的に行われないとの理由で、原則としてこの通達の適用はないものとされていました。

  しかしながら、今日の海外旅行の実態等からみて、
単に慰安旅行の目的地が国内であるか海外であるかにより取扱いを異にすることは、
適当でないということから、その旅行先が国内外を問わず、
次のすべての要件を満たす慰安旅行については、原則として課税しなくともよいとされました。

@その旅行に要する期間が4泊5日以内のものであること。

Aその旅行に参加する従業員等の数は全従業員の50%以上であること。
  

Q 裁判員等に対して支給される旅費等の処理はどうなりますか。
A 今年の5月より裁判員制度が開始されます。これに従い,国税庁は「裁判員等に支給される旅費,日当及び宿泊料に対する所得税法上の取扱いについて」掲載があり
それによると,
裁判員等に対して支給される旅費等については,その合計額を雑所得に係る総収入金額に算入し,実際に負担した旅費や宿泊料,その他裁判員等が出頭するのに直接要した費用の額の合計額については,旅費等に係る雑所得の金額の計算上必要経費に算入するとしました。

裁判員・補充裁判員については1日あたり1万円以内と日当が決められており,また,約7割の事件が3日以内で終ると見込まれています。
日当等が20万円を超えることはまれであると推測されます。

つまり,年末調整によってその年の所得税の精算手続きが終了する者は裁判員制度による日当等が20万円を超えなければ所得税においては申告が不意となります。
Q (1)生命保険料控除が改組されるとのことですが、どういう仕組みになっていますか。
(2)生命保険料控除が改組されるとのことですが、どのようになりますか。
A Q(1)改正前の制度の概要
生命保険料控除が改組されるとのことですが、どういう仕組みになっていますか。
POINT
生命保険料又は個人年金保険料を支払った場合にその保険料の額に応じて所得控除の額が決まる制度です。

A
生命保険料又は個人年金保険料を支払った場合には、その支払った保険料の額に応じて、それぞれ最高で所得税50,000円及び個人住民税35,000円が「生命保険料控除(昭和26年創設)」又は「個人年金保険料控除(昭和59年創設)」として、所得控除できます。


Q(2)改正の内容
生命保険料控除が改組されるとのことですが、どのようになりますか。
POINT
一般生命保険控除及び個人年金保険料控除の適用限度額を4万円(改正前:5万円)とするとともに、新たに同額の所得控除枠(介護医療保険料控除)が創設されます。

A
@介護医療保険料控除
生命保険契約等のうち介護(費用)保障又は医療(費用)保障を内容とする主契約又は特約に係る保険料等について、現行の一般生命保険料控除と別枠で、所得税4万円(個人住民税:28,000円)の所得控除(介護医療保険料控除)が創設されます。

A一般生命保険料控除及び個人年金保険料控除
一般生命保険料控除及び個人年金保険料控除の適用限度額がそれぞれ所得税4万円(改正前:5万円)及び個人住民税28,000円(改正前:35,000円)とされます。

B各保険料控除の控除額の計算
@及びAの各保険料控除の控除額の計算は図表-29のとおりとなります。

C  適用関係
(イ)新制度は、平成24年1月1日以後に締結した生命保険契約等について適用し、同日

※  29  改正後の控除額
[所得税] 
→年間の支払保険料等20,000円以下の控除額は支払保険料等の全額
→年間の支払保険料等20,000円超40,000円以下の控除額は支払保険料等×1/2+10,000円
→年間の支払保険料等40,000円超80,000円以下の 控除額は支払保険料等×1/4+20,000円
→年間の支払保険料等80,000円超の控除額は一律40,000円

[個人住民税] 
→年間の支払保険料等2,000円以下の控除額は支払保険料等の全額
→年間の支払保険料等12,000円超32,000円以下の控除額は支払保険料等×1/2+6,000円
→年間の支払保険料等32,000円超56,000円以下の控除額は支払保険料等×1/4+14,000円
→年間の支払保険料等56,000円超の控除額は一律28,000円

前に締結した生命保険契約等については従前の制度が適用されます。
この場合において、新制度と従前の制度の双方の控除の適用があるときにおける合計適用制度額は、所得税12万円及び住民税7万円となります。

(ロ)新制度は、平成24年分以後の所得税及び平成25年度分以後の個人住民税について適用されます。
今後、保険会社等におけるシステム改修の必要性、契約内容の見直し等の場合の取扱い、各保険商品の保険料控除の適用関係等、制度移行に伴う諸課題について更に検討を進め、平成22年度改正において法制上の措置が講じられます。
Q (1)少額の上場株式等投資の非課税制度とは、どういう制度ですか。
(2)非課税措置の創設、並びに金融所得課税の一体化に向けて、実務上、留意しておきたい点を教えてください。
A Q(1)創設の内容
少額の上場株式等投資の非課税制度とは、どういう制度ですか。
POINT
満20歳以上の居住者等は、金融商品取引業者等の営業所に非課税口座を開設できるものとし、非課税口座において当該口座を開設した日の属する年の1月1日から10年内に生ずる上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等に対しては、所得税及び住民税を課さないこととされます。


※  27  少額投資優遇税制の概要
・非課税税対象:上場株式等の配当及び譲渡益
・非課税税投資額:毎年、新規投資額で100万円を上限(未使用枠は翌年以降繰越不可)
・非課税投資総額  :500万円(100万円×5年間)
・保有期間:最長10年間
・途中売却:自由(ただし、売却部分の枠は再利用不可)
・口座開設数:年間1人1口座(毎年異なる金融機関に口座開設可)
・開設者:居住者等
・年齢制限:20歳以上
・導入時期:上場株式等の配当及び譲渡益に対する20%税率の適用時期
・不正防止措置:不正防止のための番号制度等の適正な口座管理方法及び非課税口座の設定について要件違反があった場合における源泉徴収の取扱い等の制度設計の 詳細について 、更に実務的な検討を進め、平成22年度税制改正において法制上の措置を講ずる。

@居住者(満20歳以上の者に限ります。)は金融商品取引業者等の営業所に非課税口座を開設できるものとされます。

A非課税口座とは、本措置の施行の日から5年内各年において開設するBの非課税措置の適用を受けるための口座(一の年につき一口座に限ります。)で、その口座を開設した日からその年の12月31日までに取得をする上場株式等(その取得対価の額の合計額が100万円に達するまでのものに限ります。)のみを受け入れることとされているものをいいます。

B  非課税口座において当該口座を開設した日の属する年の1月1日から10年内に生ずる上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等に対しては、所得税及び住民税を課さないこととされます。



Q(2)実務への影響
非課税措置の創設、並びに金融所得課税の一体化に向けて、実務上、留意しておきたい点を教えてください。
POINT
不正防止のため、番号制度等を利用した口座の管理方法などが22年度改正で措置される見込みです。


@今後、不正防止のための番号制度等を利用した適正な口座管理方法や、非課税口座の設定について要件違反があった場合における源泉徴収の取扱い等の制度設計の詳細について更に検討を進め、平成22年度改正において法制上の措置が講じられる予定です。

Aなお、金融所得課税の一体化については、金融商品間の課税方式の均衡化や上場株式等の配当所得と譲渡所得等との間における損益通算の範囲の拡大を踏まえ、今後、税の中立性を勘案しつつ、その他の金融資産性所得も対象とした一体化について、引き続き推進される見込みです。
Q (1)上場株式等の配当等に係る源泉徴収税率の特例とは、どういう制度ですか。
(2)上場株式等の配当等に係る源泉徴収税率の特例は継続するとのことですが、どうなりますか。
(3)源泉徴収税率の特例の継続に伴い、実務上、留意しておきたい点を教えてください。
A Q(1)改正前の制度の概要
上場株式等の配当等に係る源泉徴収税率の特例とは、どういう制度ですか。
POINT
いわゆる大口株主以外の者が受ける配当等の源泉徴収税率を本則20%の税率ではなく、一定期間、10%に軽減する制度です。

A
@上場株式等に係る配当所得の課税の特例に関する経過措置
居住者等が支払いを受けるべき上場株式等の配当等に係る源泉徴収税率(特別徴収税率)については、平成20年12月31日をもって10%(所得税7%、住民税3%)の軽減税率を廃止し、平成21年1月1日以後は20%(所得税15%、住民税5%)とされます(措法8の4、平成20年改正措法附則32)。
  なお、総合課税を選択することにより、配当控除等の適用もうけることができます。

A上場株式等の配当等に係る源泉徴収税率等の特例に関する経過措置
平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間(2年間)に居住者等が支払いを受けるべき上場株式等の配当等(大口株主が支払を受けるものを除きます。以下同じ。)に対する源泉徴収税率(特別徴収税率)は10%(所得税7%、住民税3%)の軽減税率とされます(平成20年改正措法附則33)。
この場合において、その年中の7%源泉徴収(3%特別徴収)の対象となった上場株式等の配当等(年間の支払金額が1万円以下の銘柄に係るものを除きます。)の金額の合計額が100万円を超えるものについては、その超える年分について、その上場株式等の配当等に係る申告不要の特例は適用されません。

B上場株式等に係る源泉徴収口座における源泉徴収税率の特例
平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間(2年間)の源泉徴収口座における源泉徴収税率(特別徴収税率)は10%(所得税7%、住民税3%)の軽減税率とされます(平成20年改正措法附則45B)。
この場合において源泉徴収口座の上場株式等に係る譲渡所得等の金額と源泉徴収口座以外の上場株式等に係る譲渡所得等の金額の合計額が500万円を超える者については、その超える年分について、源泉徴収口座の譲渡所得等に係る申告不要の特例は適用されません。


Q(2)改正の内容
上場株式等の配当等に係る源泉徴収税率の特例は継続するとのことですが、どうなりますか。
POINT
平成21年1月1日から平成23年12月31日までの間の源泉徴収税率が軽減税率の10%(所得税7%、住民税3%)とされます。



@平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に居住者又は国内に恒久的施設を有する非居住者に対して支払う上場株式等の配当等に係る源泉徴収税率(特別徴収税率)に対する10%(所得税7%、住民税3%)軽減税率の特例が平成23年12月31日まで1年延長されます(新平成20年改正措法附則33)。

A内国に恒久的施設を有しない非居住者又は内国平成法人に対して支払う上場株式等の配当等に係る7%の軽減税率の特例が平成23年12月31日まで(改正前:平成21年3月31日まで)延長されます(新平成20年改正措法附則33)。

B平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間の源泉徴収選択口座における源泉徴収税率(特別徴収税率)に対する10%(所得税7%、住民税3%)軽減税率の特例が平成23年12月31日まで1年延長されます(新平成20年改正措法附則45B)。


Q(3)実務への影響
源泉徴収税率の特例の継続に伴い、実務上、留意しておきたい点を教えてください。
POINT
確定申告を要しない配当所得の特例や年間10万円以下の非上場株式等の配当がある場合に留意する必要があります。


@確定申告を要しない配当所得の特例
平成16年1月1日から平成23年3月31日までの間に支払われる上場株式等(大口株主以外)の配当に対する課税は、源泉徴収等(所得税7%・住民税3%)で課税関係を完了させる申告不要制度、又は確定申告をして配当控除の適用を受けるか否かの選択が可能です。
これに対して、非上場株式の配当に対する課税は、所得税及び住民税ともに確定申告を原則とします。ただし、少額配当(1銘柄につき1回の配当金が5万円以下、又は配当計算期間が1年以上の場合は10万円以下)については、源泉徴収(所得税20%)で課税関係を完了させる申告不要制度、又は確定申告をして配当控除の適用を受けるかの選択が可能となりますが、住民税はそのいずれの場合を選択しても申告義務が生じるので留意が必要です(措法8の5、9の3、措令4の3、4の6)。
なお、株式の配当所得課税の態様は、次項の※26のとおりとなります。

A年間10万円以下の非上場株式等の少額配当
年間10万円以下の非上場株式等の少額配当に対し、住民税の確定申告が義務付けられています。上場株式等(大口株主以外)では、原則として源泉徴収7%と特別徴収3%で課税関係は完了します。
これに対して、非上場株式の配当については源泉徴収20%の課税をされた上、別途、住民税を区役所や市役所に申告しなければなりません。
所得税の確定申告をする人なら、ついでに住民税の申告もできますが、年末調整を行っている人は配当金が1,000円を超えれば住民税の納税が発生し、その納税のために区役所や市役所に申告用紙を取りに行き、必要事項を記入し、納税しなければなりません。
もし、滞納となれば加算金や延滞税などのペナルティが発生することとなるので留意が必要です。


※  26  株式の配当所得に対する課税態様
*上場株式等(大口株主)/ 非上場株式等
  ・所得税→ 申告要(総合課税)/少額配当のみ申告不要の選択可能/源泉徴収税額20%  
  ・住民税→申告要(総合課税)/少額配当(所得税)を選択しても申告要/特別徴収税額なし

*上場株式等(大口株主以外)/ 公募証券投資信託の収益分配特定投資法人の投資口
  →申告要(総合課税)又は申告不要と選択可能、源泉徴収税額7%及び特別徴収税額3%
  
Q (1)上場株式等の配当所得については、軽減税率が設けられていましたが、どういう制度ですか。
(2)上場株式等の配当所得の軽減税率は継続するとのことですが、どうなりますか。
A Q  (1)改正前の制度の概要
上場株式等の配当所得については、軽減税率が設けられていましたが、どういう制度ですか。
POINT
本則20%の税率を一定期間、一定金額まで10%に軽減する制度です。

A
@上場株式等の配当所得の申告分離選択課税
平成21年1月1日以後に居住者等が支払を受けるべき上場株式等の配当所得については、その居住者等は20%(所得税15%、住民税5%)の税率による申告分離課税を選択できることとしています。この場合において、申告する上場株式等の配当所得の金額の合計額について、総合課税と申告分離課税のいずれかの選択適用とされます(措法8の4)。
  なお、総合課税を選択することにより、配当控除等の適用もうけることができます。

A申告分離課税の税率の特例措置
平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間(2年間)に上場株式等の配当等の支払を受ける場合に、その年分において申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得のうち100
円以下の部分については、10%(所得税7%、住民税3%)の軽減税率とされます(平成20年改正措法附則32)。

B源泉徴収口座への上場株式等の配当等の受入れ(措法37の11の6)
居住者等が金融商品取引業者等の営業所を通じて上場株式等の配当等の支払を受ける場合において,その居住者等がその金融商品取引業者の営業所に源泉徴収口座を開設しているときは、その配当等をその源泉徴収口座に受け入れることができます(措法37の11の6)。



Q(2)改正の内容
上場株式等の配当所得の軽減税率は継続するとのことですが、どうなりますか。
POINT
内国法人等に対して支払う上場株式等の配当等に係る7%軽減税率の特例は平成23年12月31日まで(改正前:平成21年3月31日まで)延長されます。

A
平成21年1月1日から平成23年12月31日までの間の上場株式等の配当所得に対する税率は10%(所得税7%、住民税3%)の軽減税率とされます(新平成20年改正措法附則32)。
Q (1)上場株式等の譲渡所得については、軽減税率が設けられていましたが、どういう制度ですか。
(2)上場株式等の譲渡所得の軽減税率は継続するとのことですが、どうなりますか。
A Q  (1)  改正前の制度の概要
上場株式等の譲渡所得については、軽減税率が設けられていましたが、どういう制度ですか。
POINT
本則20%の税率を一定期間、一定金額まで10%に軽減する制度です。


A
@上場株式等に係る譲渡所得等の課税の特例に関する経過措置上場株式の譲渡所得等に係る税率については、平成20年12月31日をもって10%(所得税7%、住民税3%)の軽減税率を廃止し、平成21年1月1日以降は20%(所得税15%、住民税5%)とされます(措法37の10、平成20年改正措法附則43@)。

A上場株式等に係る譲渡所得等の特例措置
平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間(2年間)に上場株式等を譲渡した場合には、その年分の上場株式等に係る譲渡所得等の金額のうち500万円以下の部分については、10%(所得税7%、住民税3%)の軽減税率とされます。



Q  (2)改正の内容
上場株式等の譲渡所得の軽減税率は継続するとのことですが、どうなりますか。
POINT
平成21年1月1日から平成23年12月31日までの間の上場株式等の譲渡所得等に対する税率は、10%軽減税率(所得税7%、住民税3%)となります。

A.
平成21年1月1日から平成23年12月31日までの間の上場株式等の譲渡所得等に対する税率が10%(所得税7%、住民税3%)の軽減税率となります(新平成20年改正措法附則43A)。

Q (1)土地に係る固定資産税の負担調整措置は21年度の評価替えにおいても継続されるとのことですが、どういう制度ですか。
(2)固定資産税の負担調整措置は21年の評価替えにおいてどのように継続されますか。また、改正される点があれば、教えてください。
A Q.(1)改正前の制度の概要
土地に係る固定資産税の負担調整措置は21年度の評価替えにおいても継続されるとのことですが、どういう制度ですか。
POINT
土地に係る固定資産税は、平成9年度から負担水準の均衡化を進めてきた結果、地域ごとの負担水準の均衡化は相当程度進展しています。また、税負担が大幅に増加する商業地等について、地方公共団体の条例の定めるところにより、税額の上昇を抑制できる制度が設けられています。

Q.(2)改正の内容
固定資産税の負担調整措置は21年の評価替えにおいてどのように継続されますか。また、改正される点があれば、教えてください。
POINT
平成21年度から平成23年度までの間、土地に係る固定資産税の負担調整措置の仕組みが継続されるとともに、税負担が大幅に増加する商業地等及び住宅用地についても、地方公共団体の条例の定めるところにより、税額の上昇を抑制できる制度が創設されます。

A.
@平成21年度から平成23年度までの土地に係る固定資産税の負担調整措置
平成21年度評価替えに伴い、宅地等に係る負担調整措置の仕組みを継続するとともに、据置年度において地価が下落している場合に簡易な方法により価額の下落修正が出来る特例措置が継続されます。
また、平成16年度から講じられている商業地などに係る地方公共団体の条例による減額制度を継続するとともに、商業地等及び住宅用地について、地方公共団体の条例により、全額の上昇を抑制できる制度が創設されます。

(イ)商業地等
(a)負担水準が70%を超える商業地等については、その年度の評価額の70%が課税標準額となります。
(b)負担水準が60%以上70%以下の商業地等については、前年度の課税標準額が据え置かれます。
(c) 負担水準が60%未満の商業地等に当該年度の評価額の5%を加えた額が課税標準額になります。ただし、その額が、評価額の60%を上回る場合には60%相当額とし、評価額の20%を下回る場合には20%相当額となります。
(d) 課税標準額の上限である70%の場合に算定される税額から、地方公共団体の条例の定めるところにより、その年度の評価額の60%から70%の範囲で条例で定める割合により算定される税額まで、一律に減額することが出来る措置が継続されます。

(ロ)住宅用地
(a)負担水準が80%を以上の住宅用地については、前年度の課税標準額が据え置かれます。
(b) 負担水準が80%未満の住宅用地については、前年度の課税標準額に、その年度の評価額に住宅用地特例率(6分の1又は3分の1)を乗じて得た額(以下「本則課税標準額」といいます。)の5%を加えた額が課税標準額となります。ただし、その額が本則課税標準額の80%を上回る場合には80%相当額とし、本則課税標準額の20%を下回る場合には20%相当額となります。

A据置年度において地価が下落している場合に簡易な方法により価格の下落修正が出来る特例措置が、平成22年度及び平成23年度も継続されます。

B商業地等及び住宅用地に係る固定資産税について、地方公共団体の条例の定めるところにより、平成21年度から平成23年度までの税額が、前年度税額(前年度に条例減額制度が適用されている場合には、減額後の税額)の1.1倍以上で、条例で定める割合を乗じて得た額を超える場合には、その超える額に相当する額を減額することができる措置が講じられます。

A.
@商業地等の固定資産税の負担水準の調整
平成15年度評価替えの実施により、商業地等の宅地に係る負担調整が70%を超える場合には、その超える税額を減額して固定資産税の負担水準を課税標準額の上限である評価額の70%とする措置が導入されました。

A条例減額制度
平成16年度税制改正では、商業地等に係る固定資産税について、負担水準の上限が法定された70%の場合に算定される税額から、地方公共団体の条例の定めるところにより、負担水準60%から70%の範囲内で条例で定める負担水準により算定される税額まで、一律に減額することが出来る措置が導入されました。
Q (1)土地等の先行取得をした場合の課税の特例が創設されるとのことですが、どういう制度ですか。
(2)土地などの先行取得をした場合の課税の特例の適用に当たって、実務上、留意しておきたい点を教えてください。
A Q(1)創設の内容
土地等の先行取得をした場合の課税の特例が創設されるとのことですが、どういう制度ですか。
POINT
事業者が、平成21年、22年に土地等を取得した場合、その土地等を先行取得資産としてその後10年間に売却した他の土地の譲渡益の80%(平成22年は60%)相当額を限度として、圧縮記帳が出来ることとする制度が創設されます。


@個人の場合
不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき個人が、平成21年1月1日から平成22年12月31日までの期間内に、国内にある土地等(棚卸資産に該当するものを除きます。以下同じ。)の取得(個人の配偶者その他のその他人と特別の関係がある者からの取得並びに相続、遺贈、贈与及び交換によるもの、所有権移転外リ−ス取引によるものその他一定のものを除きます。以下同じ。)をし、その取得をした日の属する年の翌年3年15日までに、その取得をした土地等(以下「先行取得土地等」といいます。)につきこの特例の適用に係るものである旨その他一定の事項を記載した届出書を納税地の所轄税務署長に堤出した場合において、その取得をした日の属する年の12月31日後10年以内に、その個人の所有する他の事業用土地等の譲渡をしたときは、その事業用土地等に係る利益金額からその利益金額の80%(対象先行取得土地等が平成22年1月1日から同年12月31日までの間に取得をされたもののみである場合には、60%)相当額を控除した金額に相当する額をその事業用土地等のその譲渡による譲渡所得の金額とします(新措法37の9の5@)。

A法人の場合
法人が、平成21年1月1日から平成22年12月31日までの期間内に、国内にある土地等の取得をし、その取得の日を含む事業年度の確定申告書の提出期限までに、先行取得土地等につきこの特例の適用を受ける旨その他一定の事項を記載した届出書を納税地の所轄税務署長に堤出した場合において、その取得をした日を含む事業年度終了の日後10年以内に、その法人の所有する他の土地等の譲渡をしたときは、その先行取得土地等につき、その他の土地等に係る譲渡利益金額の80%(その譲渡の日を含む事業年度においてこの特例の適用を受ける先行取得土地等が平成22年1月1日から同年12月31日までの間に取得をされたもののみである場合には、60%)相当額の圧縮限度額の範囲内でその帳簿価額を損金経理により減額(剰余金の処分により積立金として積み立てる方法を含みます。)した場合には、その減額した金額に相当する金額は、その事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入されます(新措法66の2@)。


Q(2)実務への影響
土地などの先行取得をした場合の課税の特例の適用に当たって、実務上、留意しておきたい点を教えてください。
POINT
先行取得土地等の取得価額の明細書の添付を適用要件とするほか、土地等が棚卸資産の場合には本事例の適用はありません。


@手続規定
(イ)個人の場合
(1)@の規定は、税務署長がやむを得ない事情があると認める場合を除き、この規定を受けようとする年分の確定申告書に、この規定の適用を受ける旨の記載があり、かつ、この規定に該当する事業用土地等の譲渡による譲渡所得の金額、その譲渡をした事業用土地等の譲渡価額及び対象先行取得土地等の取得価額の明細書の添付がある場合に限り、適用されます。(新措法37の9の5AB)。

(ロ)法人の場合
(1)Aの規定は、税務署長がやむを得ない事情があると認める場合を除き、確定申告書にこの規定により損金の額に算入される金額の損金算入に関する申告の記載があり、かつ、その確定申告書等にその損金の額に算入される金額の算入に関する明細書の添付がある場合に限り、適用されます(新措法66の2AB)

A実務上の留意点
(イ)土地等が棚卸資産である場合には、他の課税の特例と同様に、本特例の対象とはなりません。
(ロ)個人事業者の所有する土地等が事業用資産でない場合には、本特例の対象とはなりません。
Q (1)土地等の長期譲渡所得についての特別控除が創設されるとのことですが、どういう制度ですか。
(2)土地などの長期譲渡所得の特別控除制度の適用に当たって、他の特例との関係など、実務上、留意しておきたい点を教えてください。
A Q(1)創設の内容
土地等の長期譲渡所得についての特別控除が創設されるとのことですが、どういう制度ですか。
POINT
個人及び法人が、平成21年、22年に取得する国内にある土地などを5年超所有して譲渡する際の譲渡益について、1,000万円の特別控除制度が創設されます。


@個人の場合
個人が、平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に取得(個人の配偶者その他のその個人と特別の関係がある者からの取得並びに相続、遺贈、贈与及び交換によるものその他一定のものを除きます。以下同じ。)をした国内にある土地等(棚卸資産に該当するものを除きます。以下同じ。)で、その年1月1日において所有期間が5年を超えるものの譲渡をした場合には、その年中に譲渡をした土地等に係る長期譲渡所得の金額から1,000万円(その長期譲渡所得の金額が1,000万円に満たない場合には、その長期譲渡所得の金額)を控除することとなります(新措法35の2@)。

A法人の場合
法人(清算中の法人を除きます。)が、平成21年1月1日から平成22年12月31日までの期間内に取得をした国内にある土地等で、その取得をした日から引き続き所有し、かつ、その所有期間(その取得をした日の翌日からその土地等の譲渡した日の属する年の1月1日までの所有していた期間をいいます。)が5年を超えるものの譲渡した場合において、その法人がその土地等の譲渡により取得した対価の額又は交換取得資産の価額が、その譲渡した土地等の譲渡直前の帳簿価額と一定の譲渡経費との合計額を超える場合には、その超える部分を金額と1,000万円とのいずれか低い金額をその譲渡の日を含む事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入します(新措法65の5の2@)。


Q(2)実務への影響
土地などの長期譲渡所得の特別控除制度の適用に当たって、他の特例との関係など、実務上、留意しておきたい点を教えてください。
POINT  手続規定において、個人と法人のそれぞれに説明する書類等の添付を要件とするほか、各種特例との重複適用を禁止しています。


@手続規定
(イ)  個人の場合
(1)@の規定は、税務署長がやむ得ない事情があると認める場合を除き、この規定の適用を受けようとする年分の確定申告書に、この規定の適用を受ける旨の記載があり、かつ、この規定に該当する旨を証する書類として一定で定めるものの添付がある場合に限り、適用されます(新措法35の2BC)。
(ロ)  法人の場合
(1)Aの規定は、税務署長がやむを得ない事情があると認める場合を除き、確定申告書等にこの規定により損金の額に算入される金額の損金算入に関する申告の記載があり、かつ、その確定申告書等にその損金の額人算入される金額の計算に関する明細書の添付がある場合に限り、適用されます(新措法65の5の2AB)。

A重複適用の禁止
(イ)個人の場合
(1)@の規定は、個人がその年中にその譲渡をした土地等の全部又は一部について、次の規定の適用を受ける場合には、適用されません(新措法35の2@)。
*収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例(措法33)
*交換処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例(措法33の2)
*換地処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例(措法33の3)
*特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例(措法36の2)
*特定の居住用財産の交換した場合の長期譲渡所得の課税の特例(措法36の5)
*特定の事業用財産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例(措法37)
*特定の事業用財産を交換した場合の譲渡所得の課税の特例(措法37の4)等

(ロ)  法人の場合
(1)Aの規定は、法人がその事業年度のうち同一の年に属する期間中にその譲渡をした土地等について、次の規定の適用を受ける場合には、適用されません(新措法65の5の2@)
*特定の資産の買換えの場合の課税の特例(措法65の7)
*特定の資産の譲渡に伴い特別勘定を設けた場合の課税の特例(措法65の8)
*特定の資産の交換した場合の課税の特例(措法65の9)等
Q (1)耐震改修工事をした場合の税額控除制度も見直されるそうですが、どういう制度ですか。
(2)耐震改修工事をした場合の税額控除制度についてはどのように見直されるのですか。
A Q(1)改正前の制度の概要
耐震改修工事をした場合の税額控除制度も見直されるそうですが、どういう制度ですか。
POINT
一定の耐震改修工事をした場合にその費用の額10%相当額をその年分の所得税額から控除する制度です。


居住者が、平成18年4月1日から平成20年12月31日までの間に、地方公共団体が作成した一定の計画の区域内において、その者の居住の用に供する昭和56年5月31日以前に建築された一定の家屋に一定の耐震改修工事を行った場合において、一定の要件の下で、その住宅の耐震改修に要した費用の額の10%に相当する金額(その金額が20万円を超える場合には、20万円)をその年分の所得税額から控除されます(措法41の19の2)

Q(2)改正内容
耐震改修工事をした場合の税額控除制度についてはどのように見直されるのですか。
POINT
適用対象区域が拡大されるほか、標準的な費用の額が設定されます。


@適用対象区域の拡大  
地方公共団体が作成する耐震改修計画において、補助対象が耐震診断のみの場合も含めるほか、補助金額の下限要件を撤廃することにより、適用対象区域が拡大されます(新措法41の19の2)。

A税額控除の対象金額
税額控除の対象となる金額について、住宅耐震改修に要した費用の額と当該住宅耐震改修に係る耐震工事の標準的な費用の額とのいずれが少ない金額とします(新措法41の19の2)。

B住宅耐震改修工事の証明主体
住宅耐震改修工事の証明は、地方公共団体の長、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく登録住宅性能評価機関、建築基準法に基づく指定確認検査機関又は建築士法に基づく建築士事務所に所属する建築士が行うものとします。

C耐震工事の標準的な費用の額
  Aにおける「耐震工事の標準的な費用の額」とは、住宅耐震改修工事の種類ごとに単位あたりの標準的な工事費用の額として定められた金額にその住宅耐震改修工事を行って床面積等を乗じて計算した金額を言います(新措法41の19の2)。

D適用関係
この改正は、@及びAの措置を講じた上、その適用期限を平成25年12年31日(改正前:平成20年12月31日)まで5年延長します。また、Aの改正は、平成21年1月1日以後に行う住宅耐震改修について適用されます(平成21年改正措法附則35)。
Q (1)既存住宅に省エネ等の改修工事をした場合にも税額控除できる制度が創設されるとのことですが、どういう制度ですか。
(2)既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の税額控除制度の適用に当たって、実務上、留意しておきたい点を教えてください。
A
(1)創設の内容
既存住宅に省エネ等の改修工事をした場合にも税額控除できる制度が創設されるとのことですが、どういう制度ですか。
POINT
省エネ改修工事を行った場合に200万円を限度(太陽光発電措装置を設置する場合には300万円)としてその標準的な工事費用と実際の工事費用の額とのいずれか少ない金額の10%相当額をその年分の所得税額から控除する制度が創設されます。
バリアフリ−改修工事についても、同様の税額控除制度が創設されます。


@適用内容
(イ)特定居住者の場合
年齢が50歳以上である等一定の居住者(以下「特定居住者」といいます。)が、その所有する居住用の家屋について次頁の図表―2009年6月3日に掲げる住宅の改修工事をして、その居住用の家屋を平成21年4月1日から平成12月31日までの間にその者の居住の用に供した場合(その改修工事の日から6ヶ月以内にそのもの居住の用に供した場合に限ります。)には、その特定居住者のその居住の用に供した日の属する年分の所得税のがくから、次の金額の合計額(その合計額が20万円を超える場合には20万円とし、特定設備の設置工事を行う場合にはその合計額が30万円を超えるときには30万円とします。)が控除されます(新措法41の19の3@)。

(ロ)特定居住者以外の場合
特定居住者以外の居住者が、その所有する居住用の家屋について図表-20(2)に掲げる一般断熱改修工事等をして、その居住用の家屋を平成21年4月1日から平成22年12月31日までの間にその者の居住の用に供した場合(その一般断熱改修工事等の日から6ヶ月以内にその者のその居住の用に供した場合に限ります。)には、その者のその居住の用に供した日の属する年分の所得税の額から、図表-20(2)に掲げる金額が控除されます(新措法41の19の3A)。

A一般断熱改修工事等
@に規定する一般断熱改修工事等とは、次に掲げる工事をいいます(新措法41の19の3C)。
(イ)居住者が所有している家屋につき行うエネルギ−の使用の合理化に資する改修工事で政令で定めるもの(その改修工事が行われる構造又は設備と一体となって効用を果たす設備の取替え又は取付けに係る改正工事を含みます。)

(ロ) (イ)に掲げる工事と併せて行うその家屋と一体となって効用を果たす政令で定める設備の取替え又は取付けに係る工事



Q(2)実務への影響
既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の税額控除制度の適用に当たって、実務上、留意しておきたい点を教えてください。
POINT
合計所得額が3,000万円を超える場合に適用除外となるほか、証明書等の添付を適用要件としています。


@適用内容
税務署著がやむを得ない事情があると認める場合を除き、確定申告書に、その控除を受ける金額についてその控除に関する記載があり、かつ、その金額の計算に関する明細書及び特定改修等明細書等の一定の書類の添付がある場合に適用されます(新措法41の19の3FG)。

A適用除外
特定居住者又は特定居住者以外の居住者のその年分の合計所得金額が3,000万円を超える場合には適用されません(新措法41の19の3B)。

  <特定の改修工事の区分と計算方法>
                                
1)高齢者等居住改修工事等の控除額

高齢者等居住改正工事等に要した費用の額又はその高齢者等居住改正工事等の標準的な費用のいずれか少ない金額(その金額が200万円を超える場合には、200万円)の10%相当する金額

2)一般断熱改修工事等の控除額

一般断熱改修工事等に要した費用の額又はその一般断熱改修工事等の標準的な費用のいずれか少ない金額(その金額が200万円を超える場合には200万円とし、特定設備の設置工事を行う場合にはその金額が300万円を超えるときは300万円とする)の10%相当する金額

Q (1)自己資金等で長期優良住宅を新築等した場合にも税額控除した場合にも税額控除できる制度が創設されるとのことですが、どういう制度ですか。
(2)認定長期優良住宅を新築などした場合の税額控除制度の適用に当たって、実務上、留意しておきたい点を教えてください。
A
(1)創設の内容
自己資金等で長期優良住宅を新築等した場合にも税額控除した場合にも税額控除できる制度が創設されるとのことですが、どういう制度ですか。
POINT
長期優良住宅を新築等した場合に、1,000万円を限度に「かかり増し費用」の10%相当額をその年分の所得税額から制度が創設されます。


@適用内容
居住者が、国内において、住宅の用に供する「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に規定する認定長期優良住宅に該当する家屋で一定のもの(以下「認定長期優良住宅」といいます。)の新築又は認定長期優良住宅で建築後使用されたことのないものの取得をして、同法の施行の日から平成23年12月31日までの間に居住の用に供した場合(その新築等の日から6ヶ月以内にその者の居住の用に供した場合に限ります。)には、そのもののその居住日の属する年分の所得税額から、その認定長期優良住宅について講じられた構造及び設備に係る標準的な費用の額(1,000万円を限度)の10%に相当する金額(以下「税額控除限度額」といいます。)を控除することになります(新措法41の19の4@)。

A控除未済税額控除額の控除
居住者がその年において、その年の前年(その前年分の所得税につき確定申告書を提出している場合に限ります。)における税額控除限度額のうち、@の規定による控除をしてもなお控除しきれない金額を有する場合又はその年の前年度分の所得税につき確定申告書を提出すべき場合及び提出することができる場合のいずれにも該当しない場合には、その者のその年度の所得税の額から、その控除しきれない金額に相当する金額又はその年の前年における税額控除限度額(以下「控除未済税額控除額」といいます。)を控除することになります(新措法41の19の4A)。
この場合において、その控除未済税額控除額が、その者のその年分の所得税の額を超える場合には、その控除を受ける金額は、その所得税の額を限度とします。

B標準的な費用の額
@における「標準的な費用の額。いわゆる(かかり増し費用)」とは、認定長期優良住宅の構造の区分ごとに、長期優良住宅の認定に係る耐久性、耐震性、省エネ性能、可変性、更新の容易性等の項目ごとにその基準に適合するために必要となる標準的な費用を基に定められた金額に、その認定長期優良住宅の床面積を乗じて計算した金額をいいます(図表―19参照)

(図表―19)標準的な費用の額
@構造ごとに標準的な住宅モデルを設定  (仕様・規模・金額等)

A長期優良住宅の認定の基準となる耐久性、耐震性、省エネ性能、可変性、更新の容易性等の項目ごとにその基準に適合するために必要となる性能強化費用(戸当りかかり増し費用)を算出

B〔標準的なかかり増し費用:告示で制定〕  ※構造ごと告示
例)@木造  0万円/平米          A鉄骨コンクリ−ト造  0万円/平米              
    B鉄節コンクリ−ト造  0万円/平米    C鉄骨造  0万円/平米

Cその住宅の標準的な費用の額の算定〕
平米当たりの標準的なかかり増し費用X適用対象住宅の床面積=XX  

注)標準化されたかかり増し費用を用いて算出することから、必要以上に高額な材質を使用したとしても、税額控除の対象となるかかり増し費用の金額には全く影響を与えない。



(2)実務への影響
認定長期優良住宅を新築などした場合の税額控除制度の適用に当たって、実務上、留意しておきたい点を教えてください。
POINT
証明書等の添付を適用要件としています。また、合計所得金額が3,000万円を超える場合に適用除外となるほか、他の特例との重複はできません。


@適用関係
税務署長がやむをえない事情があると認める場合を除き、確定申告書に、その控除を受ける金額についてその控除に関する記載があり、かつ、その金額の計算に関する明細書、長期優良住宅建築等計画の認定書の写し及び登記事項証明書等の一定の書類の添付がある場合に適用されます。(新措法41の19の4DF)。

A適用除外
居住者のその年分の合計所得金額が3,000万円を超える場合には適用されません(新措法41の19の4BC)。

B重複適用の禁止
一の「住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除」及び「特定の増改築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除」の控除額に係る特定の適用を受ける場合には適用されません。
また、居住者が、認定容器優良住宅をその居住日の属する年分の所得税について、「居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除(措法35)」の規定の適用を受ける場合又はその居住日の属する年の前年度分もしくは前々年分の所得税についてこれらの規定の適用を受けている場合には、適用されません(新措法41の19の4J)。

Q (1)住宅ローン減税の適用期限が延長されるとのことですが、住宅ローン減税とは,どういう制度ですか
(2)-1 適用期限の延長とともに延長とともに受託ローン減税の控除額が拡充されるとのことですが、どういうことですか
(2)-2 住宅ロ−ン減税の拡充以外にも、適用要件等の緩和が行われるそうですが、どういうものがありますか。
(3) 住宅ロ−ン減税の拡充に伴い、実務上、留意しておきたい点を教えてください。

A Q(1)改正前の制度の概要
住宅ローン減税の適用期限が延長されるとのことですが、住宅ローン減税とは、
どういう制度ですか。
POINT
住宅ローン減税は、居住者が住宅(新築、中古)の取得又は増改築等をして自己の居住の用に供した場合にその住宅の取得等に係る借入金等の残額を軽減する制度です。


改正前の住宅ローン減税(特例)の計算要件は、次のとおりです(措法41)。        
居住年が2008年で15年間控除住宅借入金等の年末残高2,500万円以下の部分で適用年度は1年目から10年目まで0.6%10年目から15年目まで0.4%控除率になって最大累積控除額は200万円までになり、居住年が2009年で15年間控除住宅借入金等の年末残高2,000万円以下の部分で適用年度は1年目から10年目まで0.6%10年目から15年目まで0.4%控除率になって最大累積控除額は160万円までになります。    


Q(2)-1制度の拡充と住民税からの控除の創設
適用期限の延長とともに延長とともに受託ローン減税の控除額が拡充されるとのことですが、どういうことですか。
POINT
住宅ローン減税の適用期限を5年間延長するとともに、制度が大幅に拡充されます。
長期優良住宅については最大控除可能額が過去最高水準を上回る600万円に引き上げられます。
また、個人住民税についても所得税から控除し切れない額を一定額まで税額控除する制度が創設されます。


@一般の住宅の場合の住宅ローン減税
受託の取得等をして平成21年から平成25年までの間に居住の用に供した場合の控除期間、住宅借入金等の年末残高の限度額及び控除率は次頁の図表-17のとおりになります(新措法41、41の2,41の2の2)。

A長期優良住宅の場合の住宅ローン減税
長期優良住宅の普及の促進に関する。法律に規定する認定長期優良住宅に該当する家屋で一定の(以下「認定長期優良住宅」といいます。)の新築または認定長期優良住宅で建築後使用されたことのないものの取得をして、同法の施行の日から平成25年までの間に居住の用に供した場合の特例が創設されます。
その控除期間、住宅借入金等の年末残高の限度額及び控除率は、図表-18のとおりです。

B個人住民税における住宅借入金等特別税額控除制度の創設
平成21年分以後の所得税において住宅借入金等特別税額控除の適用がある者(平成21年から平成25年までに入居したものに限ります。)のうち、当該年度分の住宅借入金等特別税額控除額から当該年分の所得税額(住宅借入金等特別税額控除の適用がないものとした場合の所得税額とします。)を控除した残高があるものについては、翌年度分の個人住民税において、その残額に相当する額(その年分の所得税の課税総所得金額などの額に100分の5を乗じて得た額(最高9万7,500円)を限度とします。)が減額されます。
また、給与所得の源泉徴収票の記載事項及び給与支払報告書等にいいて必要な改正を行うことで、市町村に対する申告は不要とする制度となります。

  図表-17  一般の住宅の場合

  居住年      控除期間    住宅借入金などの    控除率    最大塁積控除額
                              年末残高の限度額      
  平成21年    10年間            5,000万円          1.0%          500万円
  平成22年    10年間            5,000万円          1.0%          500万円
  平成23年    10年間            4,000万円          1.0%          400万円    
  平成24年    10年間            3,000万円          1.0%          300万円
  平成25年    10年間            2,000万円          1.0%          200万円
      
  図表-18  認定長期優良住宅の場合

  居住年      控除期間    住宅借入金などの    控除率    最大塁積控除額
                              年末残高の限度額      
  平成21年    10年間            5,000万円          1.2%          600万円
  平成22年    10年間            5,000万円          1.2%          600万円  
  平成23年    10年間            5,000万円          1.2%          600万円
  平成24年    10年間            4,000万円          1.0%          400万円
  平成25年    10年間            3,000万円          1.0%          300万円
      
C適用関係
@とAの住宅ロ-ン減税の適用期限は平成21年1月1日から平成26年12月31日まで5年間延長されます(平成21年改正措法附則33)。  
Bの住民製からの控除による平成22年度以降の個人住民税の減収額は、全額国費で補てんされます。
また、税源移譲に伴う住宅借入金等特別税額控除についても、平成22年度分以降、Bと同様の仕組みのもとで申告を要しない制度となります。


Q(2)-2  転勤者等の適用要件の緩和
住宅ロ−ン減税の拡充以外にも、適用要件等の緩和が行われるそうですが、どういうものがありますか。
POINT
住宅の取得等をして居住の用に供して年に転勤等した場合には住宅ロ−ン減税の適用が受けられるなど適用要件が緩和されます。


@転勤等後に再居住した場合
住宅の取得等をして居住のように供した居住者が、その居住のように供した日以降その年(以下「当初居住年」といいます。)の12月31日までの間に給与等の支払者から転任の命令その他これに準ずるやむを得ない事由によりその住宅をその者の居住の用に供しなくなった後、当初居住年の翌年以後、再びその住宅を居住の用に供した場合には、当初居住年において居住の用に供していたことを証する書類等の提出がある場合に限り、その住宅の取得等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の適用年のうちそのものが再び居住の用に供した日の属する年(以下「再居住年」といいます。)以後の各適用年(その再居住年にその住宅を賃貸の用に供していた場合にはその再居住年の翌年以後の各適用年)について住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の適用を受けることができます。

A居住の用に供する前に増改築をした場合
居住者がその所有している家屋について、居住の用に供する前に増改築をして、6ヶ月以内に居住の用にした場合には、その増改築について住宅借入等を有する場合の所得税額の特別控除の適用を受けることができます。

B二以上の居住年に係る住宅の取得等
二以上の居住年に係る住宅の取得等に係る住宅借入金等の金額を有する場合の控除額の調整措置その他所要の措置が講じられます。

C適用関係
@の改正は、平成21年1月1日後に自己の居住の用に供しなくなった場合について適用されます。  また、Aの改正は、増改築等をした居住用家屋を平成21年1月1日以後に自己の居住の用に供する場合について適用されます。(平成21年改措法附則33)。


Q(3)実務への影響
住宅ロ−ン減税の拡充に伴い、実務上、留意しておきたい点を教えてください。
POINT
住宅借入金等の年末残高及び控除率が段階的に縮小される点などに留意する必要があります。


住宅ロ−ン減税税度は、住宅の取得の日から6月以内の居住の用に供した日から各年12月末まで、居住を継続している場合(2)-2@の転勤等を除く)に適用されます。
また、その計算は居住開始年月日により計算対象となる住宅借入等の年末残高及び控除率が短快適に縮小されており、最大類積控除額が結果的に減額されることとなります。
そこで、この制度を有効に活用するためには、住宅の居住開始年月日を住民票の転入年月日または引越し業者等の領収証等で、明確にしておく必要があります。
Q (1)農地等の相続税等の納税猶予とは、どういう制度ですか。
(2)農地法等の改正に伴い、農地等の相続税の納税猶予制度が改正されるそうですが、その内容を教えてください。
A Q(1) 改正前の制度の概要
農地等の相続税等の納税猶予とは、どういう制度ですか。
POINT
農地との納税猶予制度は、自用地について農業を継続する場合のみを対象とする制度です。

A
農地の相続については、民法の均分相続税度及び農地周辺土地の都市化に伴って地価が上昇し、相続税を納付するために農地を譲渡しなければならない等の問題があります。
そこで、相続による農地の細分化防止と農業経営者の育成を税制面から助成する観点から、「農地等を贈与した場合の贈与税の納税猶予(措法70の4)」と「農地等についての相続税の納税猶予(措法70の6)の2つの特例が設けられています。


Q(2)改正の内容
農地法等の改正に伴い、農地等の相続税の納税猶予制度が改正されるそうですが、その内容を教えてください。
POINT
農地の有効利用を促進する貸付も適用対象をする等の拡充を行うとともに、農地の保全に資するための見直しが行われます。


A
農地にかかる相続税の納税猶予の特例について、次の措置が講じられます(新措法70の4〜6、70の6の2〜3)
@農地法の転用規制の及ぶ農地(市街化区域外の農地)
(イ)農地の貸付け
農業経営基盤強化促進法の規定に基づき貸し付けられた農地等については、その貸付による賃借権等の設定はなかったもの、農業経営は廃止していないもの、として納税猶予の適用が認められます。
(ロ)20年営農継続の取扱い(猶予税額の取消要件の緩和)
市街化区域外の農地について、納税猶予適用者について20年間の営農継続により猶予税額の納付を免除する措置が廃止されます。
(ハ)疾病等の場合の営農継続の緩和
・猶予期間中に障害、疾病等のやむを得ない事情により営農継続が困難となった時は、農地等の貸付けをした場合でも、その貸付による賃借権等の設定はなかったもの、農業経営は廃止していないもの、として納税猶予の継続を認める。
・災害・疾病等のやむを得ない事情のため一時的に営農できない場合について、営農継続しているものとする取扱いを明確化する。
(ニ)猶予税額の納付に伴う利子税の引下げ
納税猶予適用者(20年間の営農継続により猶予納税額が免除される者を除く)が、農是猶予に係る農地等の譲渡等をした場合に納付する猶予税額に係る利子税については、税率が年3.6%(改正前:年6.6%)に引き下げられます。なお、年3.6%の税率は、特例により年2.2%(日本銀行の基準割引率が年0.5%の場合)となります。
(ホ)20%超の農地を譲渡した場合については、総面積の20%を超える場合でも、納税猶予の取消事由とはなりません(譲渡した割合に応じた猶予税額及び利子税を納付)。

A  農地法の転用規制の及ばない農地(生産禄地などの市街化区域内の農地)
(イ)市街化区域内の農地等に係る相続税の納税猶予について、@(ハ)の措置(都市営農農地を有する者については@(ハ)及び(ニ)措置)が講じられます。
(ロ)納税猶予の取消事由となる「耕作の放棄」について、該当要件の見直しが行われています。

Bその他
農地等に係る贈与税の納税猶予制度等について、所要の見直しが行われます。

C適用関係
農地法等の一部を改正する法律の施行の日以後の相続もしくは遺贈又は贈与により取得をする農地等に係る相続税又は贈与税について適用されます。即に農地に係る相続税の納税猶予の適用を受けている者については、@(ハ)から(ホ)までが適用されます。
また、@(イ)の適用を受けた場合には、これに加えて、@(ロ)及びA(ロ)が適用されます(平成21年改正措法附則66)。
Q (1)非上場株式等に係る贈与税の納税猶予税度とは、どういう制度ですか。
(2)-1  贈与税の猶予税額が免除されるケ-スは、どういうケ-スですか。
(2)-2  納付猶予が取り消された場合の猶予税額の納付はどうなりますか。利子税の計算方法についても教えてください。
(2)-3  贈与税の納税猶予から相続税の納税猶予への切り替え
非上場株式等の贈与者が死亡した場合には、贈与の納税猶予はどうなりますか。
(2)-4  相続税の納税猶予との相違点など、贈与税の納税猶予特有の留意点があれば、教えてください。
A Q(1)創設の内容
非上場株式等に係る贈与税の納税猶予税度とは、どういう制度ですか。
POINT
経営承継相続人が次の後継者(経営者の親族)に納税猶予対象株式を一括贈与するばあいには、相続税の猶予税額が免除されるとともに譲与税の納税も猶予されます。なお、相続税の納税猶予を受けていない場合にも、一定用件を満たせば、贈与税の納税猶予が受けられます。

A
認定譲与承継会社(中所企業における経営の承継の円滑化に関する法律12条1項の経済産業大臣の認定を受けた非常所会社で一定用件を満たす会社を言います。以下同じ)の代表権を有していた被相続人から、その親族で一定の要件を満たす者(以下「経営承継相受贈与」といいます。)に、その保有する認定譲与承継会社に係る非上場株式等の全部(贈与前から即にその経営承継相受贈与が保有していたものを含めて、発行済議決権株式等の総数等の3分の2に達するまでの部分を上限とします。
以下「特例受贈与非上場株式等」といいます。)の贈与をした場合には、その特例受贈与非上場株式等の贈与に係る贈与税の全額について、その贈与者の死亡の日までその納税が猶予されます。

Q(2)-1  猶予税額の免除
贈与税の猶予税額が免除されるケ-スは、どういうケ-スですか。

POINT
相続税の猶予税額の免除と同様
@会社が破産等した場合
A納税猶予対象株式の時価が猶予税額を下回る場合です。ただし、Aは時価との差額分の免除となります。

A
その経営承継相受贈者が特例受贈与非上場株式等を死亡の時まで保有し続けた場合又はその贈与者が死亡した場合には、猶予税額の納税が免除されます。
このほか、経営承継相受贈与(5年間)経過後における猶予税額の納付の免除は、次の通りとなります。
@特例受贈与非上場株式等に係る会社について、破産手続開始の決定又は特別精算開始の命令があった場合には、猶予税額の全額の納付が免除されます。
A経営承継相受贈者と一定の関係を有する者以外の者へ保有する特例受贈与非上場株式等を一括して譲度対価又は譲渡時の時価のいずれか高い額が猶予税額を下回るときは、その差額分猶予税額の納付が免除されます。
B猶予税額が免除されない場合
@及びAの場合において免除するとされる額のうち、過去5年間に経営承継相受贈者及びその者と生計を一にする者に対して支払われた配当等に相当する額は、免除の対象となります。


Q(2)-2  納税猶予の取り消しと利息税の納付等
納付猶予が取り消された場合の猶予税額の納付はどうなりますか。利子税の計算方法についても教えてください。
POINT
経営承継相受贈者が代表者ではなるなどの場合納税猶予が取り消され、利子税と併せて納税することが求められます。

A
@経営贈与承継期間(5年間)内に、経営承継相受贈者が代表者でなくなる等、その認定の取消事由に該当する事実が生じた場合には、猶予税額の全額を納付しなければなりません。

A経営贈与承継期間経過後において、特例受贈非上場株式等の譲渡等をした場合には、特例受贈非上場株式等の総数に対する譲渡等をした、特例受贈非上場株式等の数の割合に応じて猶予税額を納付します。

Bその他、継続届出書を税務署長に提出しなかった場合、担保の変更に応じなかった場合等には納税猶予の期限が確定し、猶予税額の全額を納付します。

C利子税の納付
猶予の取消しにより、猶予税額の全額又は一部を納付する場合には、贈与税の法定申告期限からの期間に係る利子税(年3.6%)を併せて納付しなければなりません。

D担保の提供
贈与の納税猶予の適用を受けるためには、猶予税額に相当する担保を提供しなければなりません。
その際、特例受贈非上場株式等のすべてを担保に提供した場合には、その価額がその猶予税額に満たない時であっても、猶予税額に相当する担保が提供されたものとみなされます。

E継続届出書の提出
経営承継受贈者は、経営贈与承継期間内は毎年、その後は3年毎に継続届出書を税務署長に提出しなければなりません。

F租税回避行為への反応
そのた、次のような租税回避行為に対しても規制措置が設けられています。
(イ)贈与前3年以内に経営承継受贈者及びその者と一定の関係を有する者からの現物出資又は贈与により取得した資産の合計額の総資産に占める割合が70%以上である会社に係る株式等については、本特例を適用しません。
(ロ)経営承継受贈者の贈与税等の負担を不当に減少させる結果となると認められる行為に対応するための措置が講じられます。


Q(2)-3  贈与税の納税猶予から相続税の納税猶予への切り替え
非上場株式等の贈与者が死亡した場合には、贈与の納税猶予はどうなりますか。
POINT
受贈した非上場株式等を相続等により取得したものとして他の相続財産と合算して相続税額を計算しますが、一定用件を満たせば、相続税の納税猶予額の適用を受けることもできます。

A
@非上場株式等の贈与者が死亡した場合の僧族税の課税特例
経営集計受贈者に係る贈与者が死亡した時には、引き続き保有する特例受像非上場株式等をその贈与者から相続又は遺贈により取得したものとみなし、贈与時の時価により他の相続財産と合算して相続税額を計算することとしています(新措法70の7の3)。

A非上場株式等の贈与者が死亡した場合の相続税の納税猶予
@の場合における経営承継受像者は、相続又は遺贈により取得したものとみなされた特例受像非上場株式等について、相続税の納税猶予制度の適用を受けることができます(新措法70の7の4)。


Q(2)-4  その他の留意点
相続税の納税猶予との相違点など、贈与税の納税猶予特有の留意点があれば、教えてください。
POINT
後継者の適用要件が別途、定められているほか、相続時精算課税との併用が出来る点に留意して検討していく必要があります。

A
@経営者が相続税の納税猶予の適用を受けていない場合
後継者(経営者の親族)が、一括で自社株式の贈与を受けた場合には、その後継者の贈与税の納税が猶予(贈与前から後継者が即に保有していた議決権株式等を含めて発行済完全議決権株式総数の3分の2に達するまでの部分)されます。
なお、贈与税の納税猶予制度は、経営者が相続税の納税猶予が適用を受けていない場合も利用(平成21年4月1日以降の贈与から適用)できます。

A後継者の適用要件
贈与税の納税猶予制度における「後継者の適用要件」は、次の通りです。
(イ)会社の代表者にあること
(ロ)先代経営者の親族(注)であること
    (注)「親族」とは、6新等内の血族(甥、姪等)、配偶者、3新等内の姻族(嫁婿等)をいいます。
(ハ)20歳以上であり、かつ、役員就任から3年以上経過していること
(二)後継者と同族会社で、発行済完全議決権株式総数の50%の株式を保有し、かつ、同族内で筆頭株主となる場合(1つの会社で適用されるものは1人)

B贈与税の納税猶予制度と相続時精算課税制度と併用
後継者が、贈与税の納税猶予制度の適用を受けている場合であっても、後継者を含む推定相続人は相続時精算課税制度を利用することが出来ます。
たとえば、経営者が、発行済完全議決権株式総数の3分の2を超える株式を保有している場合に、納付猶予の対象外となる株式を相続等精算課税により贈与を受けることが可能です。

Q (1) 特定同族会社株式等に係る相続時精算課税の特例が廃止されるそうですが、同特例はどういう制度ですか。
(2)特定同族会社株式等に係る相続時精算課税の特例の廃止に伴い、経過装置は設けられていますか。
A Q(1) 改正前の制度の概要
特定同族会社株式等に係る相続時精算課税の特例が廃止されるそうですが、同特例はどういう制度ですか。
POINT
相続時精算課税の年齢制限を緩和するとともに非課税枠の上乗せがみとめられる制度です。

A
相続時精算課税制度について、推定相続人の一人(受贈者)が、平成19年1月1日から平成20年12月31日までの間に取引相場の無い株式等の贈与を受けた場合には、一定の要件を満たす時に限り、60歳以上の親からの贈与についても同制度を適用することとし、2,500万円の非課税枠を500万円上乗せし、3,000万円としています(以下「特定同族株式等に係る相続時精算課税制度の特例」といいます。)(措法70の3の3、70の3の4、措令40の5の3、40の5の4)。


Q(2)改正の内容
特定同族会社株式等に係る相続時精算課税の特例の廃止に伴い、経過装置は設けられていますか。
POINT
平成20年12月31日をもって廃止されます。

A
特定同族会社株式等に係る相続時精算課税の特例は、平成20年12月31日をもって廃止されます。
なお、平成20年12月31日までに、特定同族株式等に係る相続時精算課税を選択して贈与を受けた株式等については、贈与を受けたものが後継者で、適用要件を満たしている場合には、その後継者については、相続税の納税猶予の適用が受けられます(平成21年改正措法附則64)。

Q (1)特定同族会社株式等に係る相続税の課税価額の特例は、小規模宅地特例との完全併用が認められていますか。
(2)相続税の納税猶予と小規模宅地特例との併用についてはどうなりますか。
A Q(1)改正前の制度の概要
特定同族会社株式等に係る相続税の課税価額の特例は、小規模宅地特例との完全併用が認められていますか。
POINT
特定同族会社株式会社に係る相続税の課税価額の特例との部分併用が認められます。

A.
「小規模宅地特例(措法69の4)」又は、「10%減額特例(措法69の5)」については、相続税の課税価額の計算の特例を受けることができる資産の面積又は価額に限度が設けられていますが、納税者が選択したこれらの資産の面積又は価額が、その限度に満たない場合には、その満たない面積又は価額に相当する部分を限度として部分併用が認められています。
小規模宅地特例から始まり、その限度面積に満たない場合に特例同族会社株式等に10%減額特例、特例山林施業計画対象山林等特例の順により、他の資産についての特例の適用を選択できることとされています(措法69の5F、措令40の2の225、措通69の4-13、69の5-27)。


Q(2)改正の内容
相続税の納税猶予と小規模宅地特例との併用についてはどうなりますか。
POINT非上場株式等に係る納税猶予特例と小規模宅地特例のそれぞれ上限まで完全併用することが出来ます。

A
相続税の納税猶予の適用を受ける場合にも、小規模宅地特例についての相続税の課税価額の計算の特例の適用が認められます。
Q (1)非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度とは、どういう制度ですか。
(2)-1 課税価額の80%に対応する相続額の納税猶予と言うことですが、猶予税額はどのように計算するのですか。
(2)-2相続税の納税猶予が制度化される過程で、猶予税額が免除されるケ-スが明確になりましたが、どういうケ-スですか。
(2)-3 納付猶予が取り消された場合の猶予税額の納付はどうなりますか。利子税の計算方法についても教えてください。



A Q(1)創設の内容
非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度とは、どういう制度ですか。
POINT
非上場株式等に係る相続税の軽減措置について、現行の10%減額から80%納税猶予に大幅に拡大する制度です。80%納税猶予制度は、平成20年10月1日以後の相続に遡って適用されます。

A
@納税猶予制度の仕組み
認定承継会社(中所企業における経営の承継の円滑化に関する法律12条1項の経済産業大臣の認定を受けた非常所会社で一定用件を満たす会社を言います。以下同じ)の代表権を有していた被相続人から、相続又は遺贈によりその認定承継会社の非上場会社等の取得をした一定のもの(以下「経営承継相続人等」といいます。)が納付すべき相続税額のうち、その非上場株式等(相続開始前から即に保有していたものを含めて、その認定承継会社の発行済議決権株式等の総数等の3分の2に達するまでの部分に限ります。以下「特例非上場株式等」といいます。)に係る課税価額の80%に対応する相続税額については、その経営承継相続人の死亡等の日までその納税を猶予する制度です(新措法70の7の2)。

A経営承継相続人の定義
「経営承継相続人」とは、中所企業における経営の承継の円滑化に関する法律施行規則第6条第1項第7号トに規定する経営承継相続をいいます(承継法規則6@七ト)。

B適用関係
非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度は、中所企業における経営の承継の円滑化に関する法律の施行日(平成20年10月1日)以後の相続又は遺贈により取得をする非上場株式等に係る相続税について適用されます(平成21年改正措法附則63)。
また、平成20年10月1日から平成21年3月31日までの間に開始した相続にかかる被相続人がその相続の開始直前に有していた財産の中に非上場株式等が含まれており、かつ、当該被相続人が当該非上場株式等にかかる会社の代表権を有していた場合には、当該被相続人からの相続又は遺贈(贈与により取得した財産で相続時精算課税の適用を受けるものに係る贈与を含みます。)により財産の取得をした分が提出すべき相続税の申告書の提出期限については、平成22年2月1にまで延長されます(平成21年改正措法附則65)。


Q(2)-1猶予税額の計算
課税価額の80%に対応する相続額の納税猶予と言うことですが、猶予税額はどのように計算するのですか。
POINT
納税猶予制度の適用により、経営承継相続人以外の相続人の税額に影響を与えないように計算することとなります。

A
@相続税の納税猶予の提要がないものとして、通常の相続税額の計算を行い、各相続人の相続税額を算出します(経営承継相続人以外の相続人の相続税額は、この額となります。)

A経営承継相続人以外の相続人の取得財産は不変とした上で、経営承継相続人等が、通常の課税価格による特例非上場株式等のみを相続するものとして計算した場合の経営承継相続人等の相続税額と、課税価額を20%に減額した特例非上場株式等のみを相続するものとして計算した場合の経営承継相続人等の相続税額の差額が、経営承継相続等の猶予税額となります。
なお、@により算出した経営承継相続人の相続税額からこの猶予税額を控除した額が経営承継相続人の納付税額となります。
具体的な算式:

納税猶予税額=経営承継相続人が対象株式のみを相続するとした場合の相続税額ー経営承継相続人が対象株式の20%のみを相続するとした場合の相続税額


Q(2)-2猶予税額の免除
相続税の納税猶予が制度化される過程で、猶予税額が免除されるケ-スが明確になりましたが、どういうケ-スですか。
POINT
@会社が破産等した場合、
A次の後続者に納税猶予対象株式を一括贈与した場合、
B納税猶予対象株式の時価が猶予税額を下回る場合(時価との差額分の免除)です。

A
その経営承継相続人が特例株式等を死亡の時まで保有し続けた場合は、猶予税額の納付を免除することとしています。
この他、経済産業大臣の認定の有効期間(5年間)経過後における猶予税額の納付の免除は、次の通りです。

@会社が破産等した場合
特例適用株式等に係る会社が債務超過に陥り、破産手続き開始の決定又は特別精算開始の命令があった場合には、株主たる猶予対象者に分配される会社財産はなく、納税の困難性にかんがみて、猶予税額の全額が免除されます。

A次の後続者に納税猶予対象株式を贈与して事業相続を図る場合
猶予対象者が、贈与税の納税猶予制度の適用を受ける次の後続者(経営者の親族)へ特例適用株式等を一括贈与する場合には、その適用を受ける特例適用株式等に係る相続税の猶予税額が免除されます。

B納税猶予対象株式の時価が猶予税額を下回中、事業を継続するため、その株式を譲渡した場合(時価上限納税)
納税猶予対象株式の時価が猶予税額を下回るほど下落した場合に、猶予税額の全額納付を求めると、事実上、事業相続のための株式譲渡が困難となります。
そこで、(イ)同族関係者の以外の者に対して、(ロ)保有する特例適用株式等を一括して譲渡した場合には、その譲渡対価又は譲渡時の時価のいずれか高い額が猶予税額をした下回るときは、その差額分の猶予税額が免除(譲渡対価又は譲渡時の時価のいずれか高い方を上限として納税)されます。
なお、@Aの場合に猶予された相続税額を免除するとされる額のうち、過去5年間の「経営承継相続人及び生計を一にする者」に対して支払われた配当及び過大役員給与等に相当する額は免除の対象となりません。
これらの規定は、通常、精算の場合及び配当等について納税を求めることで、多額の配当等を支払い猶予税額の免除目的の計画倒産を防止するためにもうけられたものです。


Q(2)-3  納税猶予の取消しと利息税の納付等
納付猶予が取り消された場合の猶予税額の納付はどうなりますか。利子税の計算方法についても教えてください。
POINT
納税猶予が取り消された場合には、利子税と併せて納税することが求められます。

A
@経済産業大臣の認定の有効期間(5年間)内に、経営承継相続人が代表者でなくなる等、当該認定の取消事由に該当する事実が生じた場合には、猶予税額の全額を納付しなければなりません。

A@の期間経過後において、特例適用株式等の譲渡等をした場合には、特例適用株式等の総数に対する譲渡等をした特例適用株式等の数の割合に応じて猶予税額を納付します。

(算式)
猶予税額を納付額
=猶予税額X特例適用株式等の譲渡株数/特例適用株式等の総数

B利子税の納付
納税猶予の取り消しにより、猶予税額の全額又は一部を納付する場合には、相続税の法定申告期限からの利子税を合わせて納付します。
この場合に猶予税額と合わせて納付すべき利子税の税率は、特例により年2.2%(日銀の基準割引率0.5%の場合)となります(利子率の本則税率を年6.6%から年3.6%に引下げ)

C担保の提供
相続税の納税猶予の適用を受けるためには、原則として、特例適用株式等の全てを担保に供
さなければなりません。

D継続届出書の提出
経営承継相続人は、経済産業大臣の認定の有効期間(5年間)内は毎年、その後は3年毎に継続届出書を税務署長に提出しなければなりません。

E租税回避行為への反応
そのた、次のような租税回避行為に対しても規制措置が設けられています。
(イ)相続開始前3年以内に経営承継相続人の同族関係者からの現物出資又は贈与により取得した資産の合計額の総資産に占める割合が70%以上である会社に係る株式等については、本特例を適用しません。
(ロ)経営承継相続人等の相続税等の負担を不当に減少させる結果となると認められる行為に対応するための措置が講じられます。
Q (1)特定同族会社株式等に係る相続税の課税価格の特例が廃止されるそうですが、同特例はどういう制度ですか。
(2)相続税の課税価格特例の廃止に伴い、経過措置は設けられていますか。


A Q(1)改正前の制度の概要
特定同族会社株式等に係る相続税の課税価格の特例が廃止されるそうですが、同特例はどういう制度ですか。
POINT
相続税の課税価格に導入する金額をその評価額の90%相当額(10%減額)とする制度です。

A.
被相続人の親族が被相続人から相続又は遺贈により取得した取引相場のない株式または出資のうち、その法人の発行済株式総数(出資金額)の3分の2に達するまでの部分(10億円を上限)について、一定の要件を満たす場合は、相続税の課税価格に算入する金額は、その評価額の90%相当額(10%減額)とする制度です(措法69の5、措令40の2の2)。


Q(2)改正内容
相続税の課税価格特例の廃止に伴い、経過措置は設けられていますか。
POINT
平成21年3月31日をもって廃止されますが、同日までに相続時精算課税制度を選択して贈与をうけた株式等については、10%減価特例又は相続税の納付猶予制度が受けられます。

A.
@10%減額特例の特例
平成21年3月31日までに、10%減価特例の適用を受けるため相続時精算課税制度を選択して贈与を受けた株式等については、相続時に10%減価特例の適用要件を満たしている場合には、10%減額特例が適用できます(平成21年改正措法附則64)。

A相続時精算課税により生前贈与している場合
平成21年3月31日までに、10%減価特例の適用を受けるため相続時精算課税制度を選択して贈与を受けた株式等については、贈与を受けた者が後続者で、適用要件を満たしている場合には、その後続者については、10%減額特例に代えて相続税の納付猶予制度が適用できます。
ただし、この相続税の納税猶予制度の適用を受ける場合には、平成22年3月31日までにその旨を記載した届出書の提出が必要となります(平成21年改正措法附則64)。
Q (1)従来の間接外国税額控除制度に代わって、外国子会社配当益金不算入制度が導入されるそうですが、そもそも間接外国税額控除とは、どういう制度ですか。
(2)−1今回、導入される外国子会社配当益金不算入制度とは、どういう制度ですか。
(2)−2外国子会社配当の益金不算入制度と併せて、外国源泉税等の額の信金不算入制度が導入されるとのことですが、どういう制度ですか。
A Q(1)改正前の制度の概要
従来の間接外国税額控除制度に代わって、外国子会社配当益金不算入制度が導入されるそうですが、そもそも間接外国税額控除とは、どういう制度ですか。
POINT
外国子会社の外国法人税の額のうち配当等の額に対応するものを外国税額控除の対象とする制度です。


内国法人が外国子会社から受ける剰余金の配当等の額がある場合には、その外国子会社の所得に対して課される外国法人税の額のうちその配当等の額に対応するものとして、次の算式により計算した金額は、その内国法人が納付する控除対象外国法人税の額とみなして外国税額控除の規定が適用されます。
また、外国子会社が外国孫会社から受ける剰余金の配当等の額があり、さらに内国法人がその外国子会社から受ける剰余金の配当等の額についても、同様に取り扱うものとしています。(法法69G、法令147@、同令150BF)

< 算式 >
1.外国子会社の納付する外国税額(a)X  剰余金の配当等の額/外国子会社の所得金額−(a)=  xx
2.剰余金の配当等の額−(その配当等の額に対する外国厳選税の額*2)=  xx
3.1と2とのいずれか少ない金額(控除対象外国法人税の額)

(注)上記算式により計算された金額は、親会社である内国法人が納付したものとみなされる事業年度において、その内国法人の所得金額の計算上益金の額に算入することとなります。(法法28、法令148@)


Q(2)−1外国子会社配当の益金不算入
今回、導入される外国子会社配当益金不算入制度とは、どういう制度ですか。
POINT
海外子会社の利益について、税制に右左されずに、必要な時期に必要な金額を国内へ戻すことが可能となるように、間接外国税額控除制度に代えて、外国子会社からの配当について親会社の益金不算入とする制度です。


1.適用内容
内国法人が外国子会社から受ける剰余金の配当等の額がある場合には、その剰余金の配当等の額からその剰余金の配当等の額に係る費用に相当する金額を控除した金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入しないという制度です(新法法23の21)

2.対象となる外国子会社
1における外国子会社とは、内国法人が保有しているその株式又は出資の数又は金額その発行済株式又は出資(その有する自己の株式又は出資を除く。)の総額又は総数の25%以上に相当する数又は金額となっていること又はその株式等を配当等の支払い義務が確定する日以前6月以上引き続き直接に有していること等一定の要件を備えている外国法人をいいます。
なお、外国法人の所得に課された外国法人税を内国法人の納付する法人税から控除する旨を定める租税条約の規定により内国法人の外国法人に対する特株割合について異なる割合が定められている場合には、本制度の対象となる外国子会社の判定は、その割合により行うこととなります。(新法法23の21)

3.手続規定
1の規定は、税務署長がやむを得ない事情があると認める場合を除き、確定申告書に益金の額に算入されない剰余金の配当等の額及びその計算に関する明細の記載された金額が限度となります(新法法23の2AB)

4.適用関係
内国法人の平成21年4月1日以後に開始する事業年度において受ける外国子会社から剰余金の配当等の額について適用されます(平成21年改正法附則6)

5.間接外国税額控除制度
間接外国税額控除制度は、所要の経過措置を講じた上、廃止することとなっています(新法法69、平成21年改正法附則12)


Q(2)−2外国源泉税等の額の損金不算入
外国子会社配当の益金不算入制度と併せて、外国源泉税等の額の信金不算入制度が導入されるとのことですが、どういう制度ですか。
POINT
内国法人が外国子会社から受ける剰余金の配当等の額に課される外国源泉税等の額をその内国法人の損金の額に算入しないという制度です。


内国法人が外国子会社から受ける剰余金の配当等の額につき益金不算入とする場合等において、その剰余金の配当等の額に対して課される外国源泉税等の額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入されません。
また、その配当等の額に対して課される外国源泉税等の額は、外国税額控除の対象としないこととされています(新法法39の2)
内国法人の平成21年4月1日以後に開始する事業年度において受ける剰余金の配当等の額に係る外国源泉税等の額について適用されます(平成21年改正法附則10)。
Q (1)企業背再生税制の適用要件が緩和されるとのことですが、企業再生制度とは、どういう制度ですか。
(2)企業再生制度の適用要件は、どのように緩和されるのですが。
A Q(1)改正前の制度の概要
企業背再生税制の適用要件が緩和されるとのことですが、企業再生制度とは、どういう制度ですか。
POINT
資産の評価換えが強制される会社更生法と同様、民事再生法の再生計画認可の決定等又はこれに準ずる再建計画で債務免除が行われた場合、評価損益の計上及び繰越欠損金のうち青色欠損金等以外の期限切れ欠損金の優先利用が可能となっており、再建中の税負担が軽減されています。


会社更生法による法的整理が行われる場合、同法によって資産の評価換えが強制され、含み損及び含み益のある資産について、適正な評価による評価損益を計上して債権放棄の額などが決定されるため、実現に資産を売却して損失を確定させなくても債務免除益以外のいわゆる期限切れ欠損金との控除も可能となっています。
また、民事再生法の再生計画認可の決定等又はこれに準ずる再建計画(適正な資産評定に基づく貸借対照表を基礎として債務免除額が定められていること等一定の要件を満たすものに限ります。)の合意があった場合には、債務者である法人について、次の措置が講じられています(法法25,33、法令24、法法59、法令117)

@その有する資産の評価益の額又は評価損の額を益金の額又は損金の額に算入する。
A1の適用を受ける場合には、繰越欠損金のうち青色欠損金等以外の期限切れ欠損金を優先して控除(債務免除益等の額を限度)をする。


Q(2)改正の内容
企業再生制度の適用要件は、どのように緩和されるのですが。
POINT
債務免除を行う者の対象範囲に「地方公共団体」を加えるなどの要件緩和をすることによって、企業再生制度等の使い勝手を向上させることとしています。


1.中小規模再生特例の創設

(イ)一定の債務処理に関する計画に係る要件の見直し
資産の評価損益の計上及び青色欠損金等以外の繰越欠損金の優先控除の対象となる「一定の債務処理に関する計画に係る要件(民事再生等の法的整理に準ずる私的整理)」について、次のとおり見直しが行われます。
(a)適用対象の追加
株式会社地域力再生機構が関与した私的整理を適用対象に加える。
(b)免除主体の追加
2以上の金融機関等の債務免除要件について、一方の債務免除の当事者に地方公共団体(地方公共団体が債権者となっている第三セクター等)を追加する。
(c)債務免除要件の緩和
債務免除要件について、自己に対する債権の現物出資を受ける場合(DES)についても債務免除があった場合と同様の取扱い(直接の債権放棄には応じにくい金融機関にとって再生制度の使い勝手の向上)とする。
(d)専門家関与要件について、中小規模再生の場合には、関与すべき専門家の人数の最低限度を2人(改正前:3人)とする。

(ロ)資産の評価差額の引き下げ
評価損益の計上対象となる資産について、中小規模再生の場合には、資産の評価差額の最低限度が100万円とされます。

(ハ)中小規模再生
中小規模再生とは、有利子負債の額が少額(10億円未満)である企業再生をいいます。

2.金銭債権の評価損計上対象資産への追加
評価損の計上対象となる資産の範囲に債権が追加されることとなります。(新法法33)
3.過去の仮装経理による減額更正額の還付制度への変更
仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う法人税額の控除・還付制度について、会社更生法の規定による更正手続開始の決定等の事実が生じた場合に仮装経理法人税額の還付を請求することができることとするほか、還付の方法等について所要の規定の整備が行われます。(新法法70、134の2)
Q (1)期末棚卸資産の評価方法については、どのようになっていますが。
(2)期末棚卸資産の評価方法について、会計基準の変更に伴い、法人税法が見直されるとのことですが、どういうことですか。
A Q(1)改正前の制度の概要
期末棚卸資産の評価方法については、どのようになっていますが。
POINT
改正前における棚卸資産の貸借対照表価額である期末評価額の算定方法として選定できる評価方法は大きく原価法と低価法に分けられます。
原価法はさらに個別法、先入先出法、後入先出法、総平均法、移動平均法、売価還元法などの8つに区分して期末棚卸高を計算することとされています。


1.法人税法上の取扱い
法人税法における期末棚卸資産の評価方法については、次の内容のいずれかの方法により取得価額を算出し、その算出した取得価額をもって、期末棚卸資産の評価額としています。(法令28@一)

<税務上の棚卸資産の評価方法>
@個別法  :  期末棚卸資産の全部について、その個々の取得価額をその取得価額とする方法(注)

A先入先出法  :  期末棚卸資産を期末から最も近い時に取得したものから順次成るものとみなし、そのみなされた取得価額を期末評価額とする方法

B後入先出法  :  期末棚卸資産をまず前期末から成り、次に期首から最も近い時に取得したものから順次成るものとみなし、そのみなされた取得価額を期末評価額とする方法

C総平均法  :  期首棚卸資産の取得価額の総額と期中に取得した棚卸資産の総額との合計額をそれらの総数量で除いた単価で期末棚卸資産の評価額を一単位当たりの取得価額とする方法

D移動平均法  :  種類等を同じくする棚卸資産の取得をする都度、取得の時に有している棚卸資産と取得した棚卸資産の数量及び取得価額を基礎として算出した平均単価によって改定されたものとみなし、期末か最も近い時において改定された取得価額を期末評価額とする方法

E単純平均法  :  期中に取得した棚卸資産のうち単位の異なる一単位当たりの取得価額を合計し、その合計をその異なる一単位当たりの取得価額の数で除して計算した価額を一単位当たりの取得価額とする方法

F最終仕入原価法  :  期末から最も近い時に取得した棚卸資産の一単位当たりの取得価額をその一単位当たりの取得価額とする方法

G売価還元法  :  期末棚卸資産をその種類等又は通常の差益の率の異なるごとに区分し、その種類等又は通常の差益の率の同じものについて、期末棚卸資産の通常の販売価額の総額に原価の率を乗じて計算した金額をその取得価額とする方法
(注)個別法以外の評価方法については、期末棚卸資産をその種類等の異なるごとに区分し、その種類等の同じものを評価単位とする。


2.会計上の取扱い
一方、会計上における期末棚卸資産の評価方法については、下の内容のいずれかの方法により取得価額を算出し、その算出した取得価額をもって、期末棚卸資産の評価額としています。

<会計上の棚卸資産の評価方法>
@個別法  :  棚卸資産の取得原価を異にするに従い区分して記録し、その個々の実際原価によって期末棚卸品の価額を算定する方法

A先入先出法  :  最も古くも取得されたものから順次払出しが行われ、期末棚卸品は最も新しく取得されたものから成るものとみなして期末棚卸品の価額を算定する方法

B後入先出法  :  最も新しく取得されたものから払出しが行われ、期末棚卸品は最も古く取得されたものから成るものとみなして期末棚卸品の価額を算定する方法

C平均原価法  :  取得した棚卸資産の平均原価を算出し、この平均原価によって期末棚卸品の価額を算定する方法(注)平均原価は、総平均法又は移動平均法によって算出する。

D売価還元原価法  :  異なる品目の資産を直入率の類似性に従って適当なグループにまとめ、一グループに属する期末商品の売価合計額に原価率を適用して期末棚卸品の価額を算定する方法(注)売価還元原価法は、取扱品種のきわめて多い小売業及び御売業における棚卸資産の評価に適用される。
(注)製品等の製造原価については、適正な原価計算基準に従って、予定価額又は標準原価を適用して算定した原価によることができる。


Q(2)改正の内容
期末棚卸資産の評価方法について、会計基準の変更に伴い、法人税法が見直されるとのことですが、どういうことですか。
POINT
会計基準のコンバージェンス(収斂)を図るため、棚卸資産の評価方法から後入先出法が削除されたため、法人税法においても、所要の経過措置を講じたうえで後入先出法及び単純平均法が除外されることになります。


1.改正会計基準の概要
企業会計基準委員会は、平成20年9月26日に「棚卸資産の評価に関する会計基準(改正企業会計基準第9号)」を公表しました。
この改正会計基準は、平成15年に改正された国際会計基準第2号「棚卸資産」において「後入先出法」の採用が認められていないことを重視し、会計基準の国際的なコンバージェンスを図る観点から、選択できる棚卸資産の評価方法から後入先出法を削除することとしたものです。
改正会計基準は、平成22年4月1日以後開始する事業年度から適用されます。ただし、平成22年3月31日以前に開始する事業年度から適用することができます。

2.法人税法の改正
棚卸資産の評価について、所要の経過措置を講じたうえ、選定できる評価の方法から後入先出法及び単純平均法を除外することとしています。
Q (1)いわゆるエネ革税制とは、どのような制度ですか。
(2)エネ革設備の即時償却とは、どういう制度ですか。
(2)−2資源需給構造変化対応設備等の即時償却とは、どういう制度ですか。
(3)今回の改正により、実務上どのような影響がありますか。



A Q(1)改正前の制度の概要
いわゆるエネ革税制とは、どのような制度ですか。
POINT
一定のエネルギー需給構造改革推進設備等の取得(事業供用)をした場合に特別償却又は税額控除が受けられる制度です。


青色申告書を提出する法人が、エネルギー需給構造改革推進設備等の取得をした場合には、基準取得価額の30%の特別償却又は基準取得価額の7%の税額控除との選択適用ができます。(措法10の2@A、同法42の5@A)
対象設備の主な具体例は、次頁のとおりです。

<適用対象設備>
1.新エネルギー利用設備等(太陽光発電設備)
2.その他石油代替エネルギー設備等(天然ガズ自動車)
3.省エネビルシステム/エネルギー使用合理化設備(高断熱窓設備)、エネルギー使用制御設備(可変風量制御装置)
4.エネルギー有効利用製造設備等(高性能機械組立設備)


Q(2)−1改正の内容
エネ革設備の即時償却とは、どういう制度ですか。
POINT
一定期間、エネ革制度の特別償却を拡充して、単年度に取得価額の100%まで償却できる制度となります。


青色申告書を提出する法人が、平成21年4月1日から平成23年3月31日までの間にエネルギー需給構造改革設備等の取得等をして、その取得等の日から1年以内に事業の用に供した場合における特別償却限度額を控除した金額に相当する金額とする制度です(新措法10の2EF、42の5EF)


Q(2)−2資源需給構造変化対応設備等
資源需給構造変化対応設備等の即時償却とは、どういう制度ですか。
POINT
資源生産性革新計画と資源制約対応製品生産設備導入計画の2つに記載された設備が即時償却の対象となります。


資源生産を向上(より少ないエネルギー、資源で付加価値を高め)させ、資源価格高騰、変動に対応した産業構造の転換を図るため、産業活力再生特別措置法に「資源生産革新計画」及び「資源制約対応製品生産設備導入計画」を追加し、必要な設備投資等を総合的に後押しする制度措置を創設するものです。
特別償却と即時償却の2つの制度があります。
それぞれの適用関係を整理すると、次頁のとおりです。

*資源生産性革新計画
    :改正法の施行の日〜平成23年3月31日→即時償却(取得価額x100%)
*資源生産性革新計画
    :平成23年4月1日〜平成24年3月31日→建物等(取得価額x15%)
*資源生産性革新計画
    :平成23年4月1日〜平成24年3月31日→設備等(取得価額x30%)
*資源制約対応製品生産設備導入計画
    :改正法の施行の日〜平成23年3月31日→即時償却(取得価額x100%)
*資源制約対応製品生産設備導入計画
    :平成23年4月1日〜平成24年3月31日→取得価額x30%


Q(3)実務への影響
今回の改正により、実務上どのような影響がありますか。
POINT
エネ革設備等の即時償却は省エネルギー及び新エネルギー設備等への投資を、資源需給構造変化対応設備等の即時償却は、中小企業の生産性向上等の産業構造の転換が期待されます。


資源需給構造変化対応設備等の即時償却等の前提となる産業活力再生特別措置法の認定計画については、「資源生産性革新計画」及び「資源制約対応製品生産設備等導入計画」に大別されますが、その計画目的や対象資産、活用ポイント等の内容を整理すると、下のとおりです。

*資源生産性革新計画で自らの資源生産性を向上する取組への支援(事業者の創意工夫を引き出すために、あらかじめ設備を特定せず、一定以上の効果がある物を対象)する計画目的を持つ対象資産及び活用ポイント内容とは、
@事業者の創意工夫活かし、一定以上の省エネ、省CO2効果のある設備投資を広く対象とする。(具体的な投資設備・システムには高効率の生産設備、エネルギー管理システム、配管・熱交換気・フード、周辺設備等)
A一定以上の省エネ、省CO2効果のある生産設備と一体となった建物(自動倉庫、クリーンルーム等)及び倉庫(共同物流センター等)も対象となる。
B企業単位だけでなく、一定の事業所単位での申請も可能。
C単独企業だけでなく、複数企業による共同申請も可能。

*資源制約対応製品生産設備導入計画で社会の資源資産性を向上する製品の製造への支援(家庭のエネルギー消費の8割を占めるトップランナー基準対象製品のうち、著しく資源生産性向上に資するもの等を支援対象)する計画目的を持つ対象資産及び活用ポイント内容とは、
@家庭のエネルギー消費の8割を占めるトップランナー基準対象製品のうち、一定以上の省エネ性能を持つ品目(エアコン、冷蔵庫、照明器具、テレビ及び照明器具等)が対象。
ALED(発光ダイオード)照明設備、家庭用燃料電池等も対象。
B基準を超える品目を専ら生産するために必要不可欠な設備(高省エネ性能の液晶テレビ及びその専門部品を専ら製造する設備)が対象となる
C単独企業だけではなく、複数企業による共同申請より、半製品を製造している企業の設備(最終組立メーカーと共同申請することで、高省エネ性能の液晶テレビ及びその専門部品を専ら製造する商品メーラーの設備)も対象となりうる。
Q (1)欠損金の繰り戻し還付についてはmその適用が凍結されていますが、どういうことですか。
(2)欠損金の繰り戻し還付が復活するとのことですが、どういうことですか。
(3)今回の改正により、実務上どのような影響がありますか。
A Q(1)改正前の制度の概要
欠損金の繰り戻し還付については,その適用が凍結されていますが、どういうことですか。
POINT
平成4年4月1日から平成22年3月31日までの間に終了する各事業年度において生じた欠損金については、一定の場合を除き、繰り戻し還付の適用が受けられません。


青色申告法人の欠損金については、欠損事業年度開始の日前1年以内に開始したいずれかの事業年度の所得に対する法人税の繰り戻し還付をすることができます。
ただし、平成4年4月1日から平成22年3月31日までの間に終了する各事業年度において生じた欠損金については、解散、事業の全部譲渡、更生手続の開始等の事実が生じた場合を除いて、繰り戻し還付制度は適用されません(法法80、措法66の13)


Q(2)改正の内容
欠損金の繰り戻し還付が復活するとのことですが、どういうことですか。
POINT
中小企業者等の平成21年2月1日以後に終了する各事業年度において生じた欠損金額については、欠損金の繰り戻しによる還付制度の適用ができることになります。昨年度の景気悪化で赤字に陥った会社の資金繰りを支えることとしています。


欠損金の繰り戻しによる還付の不適用措置について、対象から中小企業者を除外し、これらの法人の各事業年度において生じた欠損金額について、欠損金の繰り戻しによる還付制度の適用ができることとします(新措法66の13)。
なお、中小企業者等の範囲は、上記1(2)−2と同様です。


Q(3)実務への影響
今回の改正により、実務上どのような影響がありますか。


青色申告法人は欠損金が生じた場合には、その欠損金額をその欠損事業年度開始の日前1年以内に開始した還付所得事業年度の所得金額に繰り戻し、その還付所得事業年度の法人税の全部又は一部の還付請求をすることができます。
具体的には、下記の算式によりなす。また、次の手続が必要となります。(法法80@BD)
@還付所得事業年度から欠損事業年度の前事業年度まで連続して青色申告である確定申告書を提出していること
A欠損事業年度の確定申告書を青色申告により提出期限内に提出していること
B欠損事業年度の確定申告書の提出と同時に「繰り戻しによる還付請求書」を提出していること
{算式}
還付請求できる金額=
還付所得事業年度の法人税額X欠損事業年度の欠損金額(注)/
還付所得事業年度の所得金額
(注)分母の金額を限度とする。
Q (1)中小企業者等に対する軽減税率はどうなっていますか?
(2-1)軽減税率の改正点について教えてください。
(2-2)軽減税率引き下げの対象となる中小企業者等の範囲はどうなっていますか?
A Q(1)改正前の制度の概要
中小企業者等に対する軽減税率はどうなっていますか?
POINT
年所得800万円以下の金額については22%の軽減税率としています。


内国法人である普通法人等に対して課する各事業年度の所得に対する法人税の額は、各事業年度の所得の金額に30%の税率を乗じて計算した金額としています。
ただし、中小企業者等の各事業年度の所得の金額のうち年800万円以下の金額については、法人税の税率を22%としています。(法法66@A)

Q(2)−1改正の内容
軽減税率の改正点について教えてください。
POINT
平成21年4月1日から23年3月31日までの間に終了する各事業年度において、軽減税率を18%に引き下げることとしています。


中小企業者等の平成21年4月1日から平成23年3月31日までの間に終了する各事業年度の所得の金額のうち年800万円以下の金額に対する法人税の軽減税率を18%(改正前:22%)に引き下げることとしています。
なお、協同組合等又は特定医療法人が連絡親法人である場合の税率は、年800万円以下の金額に対して19%(改正前:23%)に引き下げられます(新措法42の3の2)

Q(2)−2中小企業者等の範囲
軽減税率引き下げの対象となる中小企業者等の範囲はどうなっていますか。
POINT
資本金等の額が1億円以下の中小企業者等はもちろん、公益法人等の収益事業に対しては、18%と22%の2段階の税率となります。


中小企業者等とは、次の法人をいいます(新措法42の3の2)
@普通法人のうち各事業年度終了の時において資本金の額もしくは出資金の額が1億円以下であるもの又は資本もしくは出資を有しないもの(保険業法に規定する相互会社等を除く。)
A公益法人等又は協同組合等
B法人税法以外の法律はよって公益法人等とみなされているもの
C人格のない社団等
(注)特定協同組合等(@総収入金額のうち物品供給事業の収入額に占める割合が50%以上、A組合員の数が50万人以上及びB店舗における物品供給事業の収入金額が1,000億円以上である協同組合等)で、年10億円を超える所得に対しては26%の税率が課される。
Q 役員又は使用人の子弟に関する奨学金の支払は会社の費用として認めますか?
A 役員又は使用人の子弟が高校又は大学に入学した場合には、毎月、奨学金を支給する場合があります。
このような奨学金は、役員又は使用人に対する給与として課税されます。
役員又は使用人の子弟の修学のための学資金として支給される金品は、その役員又は使用人に対する給与等として課税されます。
たとえ、その子弟に対して直接支給される場合であっても、その父兄にあたる役員又は使用人に対する給与等して扱われます。
Q 情報提供料が交際費にならないためには、どのように処理すべきですか?
A 情報提供料が交際費にならないためには、交付した金品の価格が提供された情報の内容に照らして相当でなければなりません。
この場合の相当の判断ですが、これは取引ごとに判断することになっています。
税務調査での情報提供料の相当の判断でトラブルを避けるためには、情報提供者と情報提供料について契約書を交わすことが有効です。
契約書には、相手方との間で受注件名、仲介や情報提供の内容、仲介料等の算定方法とその支払時期等を明確にした記載が必要となります。
また、相手方から正規の領収書をもらっておくことも重要です。
Q 日本企業から手形を受け取りました。どのように扱えばいいですか?
A 日本ではまだまだ手形による取引が存在します。
取引条件の中に支払条件を明確に定めてないといざ回収の時になってあわてることになりかねません。
手形は支払日を定めた信用状で通常支払い元の当座預金の口座から引き落とされて、支払い先の銀行口座に振り込まれます。

これらは手形交換所を通じて行われるため、支払日以前に自分の取引銀行に手形を持ち込んで取立ての依頼をしなくてはなりません。
支払日の当日に持ち込んでも当日入金は難しいので、2営業日前には取立て依頼をするようにしてください。
金庫にしまっていて支払日が過ぎてしまったときは支払日から2日以内であればまだ取立て依頼が出来ますが、3日を過ぎると無効になるので支払い先に行って新しい手形と交換してもらわなくてはなりません。
このようなことが無いように手形の管理はしっかり行わなくてはなりません。

手形が入金されるまでは債権として存在するわけですから取引先の与信管理をして限度額以内の取引に抑えることも必要です。
もし、支払い先に資金が不足して手形の入金が無かった場合(不渡手形といいます)には銀行から手形が戻ってきます。
6ヶ月以内に2回不渡りを起こすと銀行取引停止処分となり、その会社は実質倒産したも同様になります。

日本の大手企業では最近ファクタリングといわれる支払い取引が増えてきています。
手形決済日前に支払う変わりに支払日から手形決済日までの日数に相当する利息を値引きして振り込む取引です。この場合もファクタリングの利率と銀行利率とよく比較して交渉する必要があります。
Q 日本の税務調査はどのように行われるのか教えてください。
A 税務調査は、大きく2つに分けることができます。
実地調査と査察調査です。

実地調査とは、所得税法、法人税法等に定める質問検査権に基づいて、申告が適正に行われているかどうかを確認するために事業所に臨んで行われるものです。原則として、事前に電話連絡が納税者又は関与税理士あり、その納税者の承諾を得てから行われます。    
例外的に、現金商売の場合は、納税者の現況を把握するため、事前連絡をしないで直接事務所等に臨む場合もあります。

一方、査察調査は、上記の実地調査で把握できない悪質で大口の不正所得が見込ませる納税者に対して、裁判所の発行した令状をもとに執行される強制調査になります。

税務調査の連絡があったら、あわてず冷静に対応し、即座に回答しないで、関与税理士等に相談してから回答しましょう。
また、日頃から、税法に則って適正に誠実に会計処理等を行うことはもちろんですが、税務調査等で要求されたらすぐ見せられるように、総勘定元帳、補助元帳等の帳簿のほか、領収書、請求書等の証憑書類をきちんと整理保存しておくことが必要でしょう。
Q 消費税の経理上注意すべき点について教えてください。
A 消費税の経理上で注意すべき点は、課税事業者(簡易課税を選択した事業者を除きます。)が仕入税額控除を受けようとする場合には、その課税期間の仕入税額控除に係る帳簿及び請求書等を保存することが義務づけられている点にあります。

なお、この帳簿は、必要事項を記録したものであれば、どのような帳簿書類でも差し支えありません。

また、この帳簿は、その閉鎖の日の属する課税期間の末日の翌日から2か月を経過した日から7年間、事業者の納税地又はその事業に係る事務所等に保存しなければなりません。
なお、取引の実態を踏まえて、税込みの支払額が30,000円未満の場合には、請求書等の保存をする必要なく、必要事項が記載された帳簿の保存のみでよいこととされています。

しかし、俗に言う「上様領収書」は、消費税の仕入額控除を受けるための要件を満たしておらず、仕入税額控除を受けることができませんのでご注意ください。
Q 消費税の計算方法に2種類あると聞きました。
その算定方法と選択の手続きについて教えてください。
A 消費税の計算方法には、原則課税と簡易課税の2つの方法があります。
原則課税は、売上げの時に預かった税額と、仕入れ等の時に支払った税額の差額を計算し、税務署に納付する方法です。
一方、簡易課税とは、税抜きの売上に業種に応じた一定割合を乗じて、仕入控除税額を算定し、納付する方法です。
この一定割合をみなし仕入率といい、売上げを卸売業、小売業、製造業等、サービス業等及びその他の事業の5つに区分し、それぞれの区分ごとのみなし仕入率を適用します。
簡易課税を選択するには、その課税期間の前々年又は前々事業年度の課税売上高が5千万円以下で、簡易課税制度の適用を受ける旨の届出書を所轄する税務署に適用しようとする課税期間の開始の日の前日までに提出していることが必要になります。
また、簡易課税制度を適用できる基準期間における課税売上高の上限は2億円以下となっています。
なお、消費税簡易課税制度選択届出書を提出した場合、2年間は実額計算による原則課税に変更することはできません。
一般的には、簡易課税の方が、計算の手間から考えても有利とされています。
しかし、設備投資が多い場合や輸出取引等が多い場合には、簡易課税を選択すると時に不利な場合もありますので、選択には十分な検討が必要になります。
Q 親会社の取引で寄付金とされるのは、どのような場合ですか。
寄付金課税されないためにはどうすべきですか?
A 親会社が子会社に対して、金銭その他の資産または経済的利益の贈与または無償の供与をした場合、原則的には、寄付金としてとり扱われます。具体的には資産の低額譲渡などがこれにあたります。
また、親会社に対する経営指導料で、実体がないものや算定根拠が明らかでないものは、経済的利益の供与として寄付金に該当します。
このような寄付金とされないためには資産の低額譲渡にあたらないように、市場価格との比較検討した上での譲渡価格の設定が必要となります。
経営指導料においては、その算定根拠を明確にしておくことが必要でしょう
Q 外国法人である親会社から経営指導料を受けていますが、どのように決めるべきかアドバイスをお願いします。
A 親子会社といえども、それぞれ独立した営利企業体であり、経営指導は、親会社の子会社に対する一種の役務の提供と考えられます。
よって、経営指導料は、親会社側で要するコストと子会社で受ける効用を基礎にして決められるべきだと言えます。
しかし、親会社側で要するコストや子会社で受ける効用を算定するのが困難な場合は、子会社の売上高、生産高、人件費の額、従業員数、親会社間の取引高等を算定基準として、算定すればよいでしょう。
また、算定基準を特別の理由なく事業年度の途中で変更すると親子会社間での利益操作とみられるおそれがあります。
一方、算出した経営指導料が、役務提供に対して、高額であると課税庁に指摘された場合、移転価格税制の適用を受けることがあります。

逆に過少と指摘されたときは、寄付金課税の適用を受けることがあるので注意が必要になります。

移転価格税制とは、このような海外の関連企業との間の取引を通じた所得の海外移転を防止するために、その移転価格を通常の取引価格に引き直して課税する制度であります。
Q 韓国で使った経費をインターネットバンキングで韓国の口座から支払い(送金)しましたが、領収書がありません。経費処理できますか?
A 結論から言いますと、領収書がなくとも経費処理することは出来ます。
領収書に代わる支払を証明できる資料が重要になってきます。
実際の税務申告では、税務署の担当者に経費の使途を説明できるかが重要となります。
ご質問の場合は、実際に取引があったことを説明できるようにインターネットバンキングの取引明細等を印刷しておく必要があります。
また、支払いに使用される口座は、法人が管理する法人名義であるべきでしょう。
Q 従業員に支給する手当のうちに源泉所得の対象外にできるものがありますか?
A 雇用契約等に基づいて、使用人に支給する手当は、原則として、源泉所得の対象なります。
しかし、一定の手当は非課税となります。非課税となる手当の主なものには次のものがあります。

(1)通勤手当や通勤定期券のうち、非課税となる限度額は、1か月当たり100,000円までの金額。この限度額は、経済的で最も合理的な経路で通勤した場合の通勤定期券などの金額になります。
また、この場合、新幹線鉄道を利用した運賃等は含まれますが、グリーン料金などは除かれます。

(2)転勤や出張などのための旅費のうち、通常必要と認められる金額 

(3)宿直や日直の手当のうち、1回につき4,000円までの金額。

(4)日本国内で長期間引き続き勤務する外国人に対し、休暇のための帰国を認め、その帰国のための旅費に必要な金品。

(5)従業員に支給する食事は、次の二つの要件をどちらも満たしていれば、給与として課税されません。 
    @従業員が食事の価額の半分以上を負担していること。 
    A次の金額が1か月当たり3,500円以下であること。
        (食事の価額)−(従業員が負担している金額)
なお、残業や宿直や日直を行うときに支給する食事は、無料で支給しても給与として課税しなくてもよいことになっています。
Q 日本での住民税の扱いが良くわかりません。
来日2年目から徴収されるとのことですがどうしてですか?
A 日本の住民税は来日1年目の年末調整(1月上旬)や確定申告(3月中旬)の結果を受けて各市区町村が住民税を計算して納税者に通知しているため、結果的に2年目からの支払になってしまいます。

住民税の納付方法は2通りあり、「普通徴収」という方法によれば1年目の申告結果が2年目の6月に通知され、6月末〜翌年1月まで4回にわたり自分自身で住民税を納付します。

これに対して「特別徴収」は個人が納付することに代えて会社が給与から徴収し毎月納付する方法です。

これら2つの方法は年末調整や確定申告のときに選択することが可能ですので、ご自分にあった方法を選択すると良いでしょう。
Q 短期滞在者免税の制度について教えてください。
A 以下の条件を満たす場合には会社が外国人に支払う給与は免税となる制度を短期滞在者免税といいます。なお、この適用を受けるためには「租税条約に関する届出書」の提出が必要です。

  A.日本国内の滞在期間が年間で183日以内であること。

  B.「非居住者」であり、外国の会社の使用人であること。

  C.給与等の支払者が日本国内で給与等を費用処理していないこと。
Q 駐在員の給与から所得税を源泉徴収する際の扶養者に韓国の妻子供を加えてもかまいませんか?
A 日本の所得税法では扶養者の控除はその住所によるものではなく、日本国内の収入金額が年間103万円以下(所得38万円以下)で控除を受ける人のお金で扶養者が生活しているか否かで判断されます。
従って、要件を満たしている限り韓国にいる妻子や父母は控除の対象になるのはもちろんのこと、親族以外でも扶養者とすることができます。
ただし、扶養者となる方が韓国で働いており十分な所得がある場合や、日本からの送金額が生活するには余りにも少額の場合には扶養者とみなされないため注意してください。
Q 駐在員の給与から所得税を源泉徴収する際の居住者、非居住者の判定について教えてください。
A 居住者と非居住者の判定は、日本国内に「住所」があるか、又は現在まで引き続いて1年以上「居所(注)」がある方若しくは1年以上滞在する予定の方を「居住者」といい、それ以外の個人を「非居住者」といいます。
2カ国以上に「住所」がある方については、どちらに生活の中心があるかで判断します。
税務調査の際には職務内容や契約等を基に「住所の推定」が行なわれますので注意が必要です。

(注)「居所」とは住所を有していなくても滞在する場所がある場合の、その滞在場所を指します。
Q 日本でも接待費については経費にできる限度額があると聞きました。どういう仕組みで計算するのですか。
また、注意すべき点があったら教えてください。
A 日本において接待費は基本的には費用として認められていませんが、資本金が1億円以下の法人については、限度額(400万円)までなら支払った接待費等の金額の90%が費用として扱われます。この接待費には取引先に対する飲食費以外にも贈り物や土産、接待の場所までの交通費等も含みます。
また、接待費であっても取引先との飲食費で一人あたり5,000円以下の支出を接待費等にしない場合には、全額費用として扱うことができます。
ただし、この適用を受ける場合には領収書等の証拠の保存と、接待をした取引先の氏名等と共に参加した人数と氏名の記録が要件となります。
Q 日本法人の社員が韓国で経費を使いましたが、どのように処理すればいいですか?
A 日本法人の社員が韓国で経費を使った場合には、日本法人の経費となります。
ただし、この場合に韓国で使った経費は消費税の控除は受けられません。
その他は日本で使った経費と同じ処理となります。
Q 日本では資産と経費の区分に金額基準はありますか?
A 日本では原則として10万円未満の資産は経費としてよい事になっています。
また、御社が青色申告を選択しており、かつ資本金一億円未満で大規模法人(資本金一億円超)の子会社ではない場合には、平成20年3月31日までに取得した30万円未満の資産は300万円まで経費としてよい事になっています。
これは青色申告を選択している個人事業者にも適用されます。
Q  東京支店の駐在員に日本での滞在費だけではなく、韓国で家族手当を払っていますが、給与の処理はどうなりますか。
A 日本では個人の生活費用と考えられるものは給与として課税の対象となりますので、滞在費は給与として課税の対象として源泉所得税が課されます。
また、韓国で支給された手当てについても、日本と韓国での租税条約では働いている場所が属する国家に課税権が存在するため、駐在員の方が日本で働いていらっしゃる場合には、韓国の家族手当についても日本で働いた対価として日本で所得税が課税されます。
Q 日本法人の運転資金が不足して韓国の親会社からお金を借りましたが、今回利息を支払うことになりました。注意することはありますか?
A 利息を支払う日本法人の方で源泉所得税を引いた金額を韓国の親会社へ送金してください。

この場合、租税条約に関する届出書を所轄税務署長に提出する必要がありますが、このうち「利子に対する所得税の軽減・免除」の届出書を提出すると、日本で源泉徴収される源泉所得税を軽減されます。
また、海外にある親会社からの日本法人の借入は過少資本税制の適用を受けるおそれがあります。

過少資本税制とは、日本国内にある外国法人等の子会社等が、その外国親会社等から資金提供を受ける場合に、親会社等からの出資を少なくして借入を増やすことにより、子会社の租税負担の軽減を行うことを防止する制度です。 

在日子会社が、外国親会社等から資金提供を受ける場合に、出資を受ける方法と借入を行う方法が考えられます。

出資の場合は在日子会社の所得計算において、その出資に対する配当は課税所得の計算上、損金として認められません。
一方、借入の場合はその借入から生じる支払利子の損金への算入が認められます。
よって、本来出資によるべき子会社への資金提供を出資とせずに資本金を少なくし、過大な借入(過少資本)という形態をとることにより、日本国内での租税負担を意図的に軽減することができます。
そこで、こうした租税回避行為を防止するために、その在日子会社の親会社等からの借入金が、原則として、その親会社等からの出資総額(又は在日子会社の純資産)の3倍を超える場合には、その超過額にかかる支払利子等については、その事業年度の課税所得の計算上、損金と認めないとする制度です。
Q 韓国のIT企業です。
韓国の法人と日本の顧客と直接の取引をしていますが、売上代金から税金を20%引かれて入金されました。
取り戻す方法はありますか。
A 日本の顧客を通して、税務署から納税証明書を受け取り、それを韓国で決算申告をするときに税務署へ提出すると、韓国の方で還付を受けられます。
韓国にある法人が日本で源泉徴収された所得税について、韓国で外国税額控除制度を利用して、日本で納付した外国税額を韓国で納付する税額から控除することを認められています。
ただし、控除できる金額については、国外源泉所得に対応する韓国での税額を控除限度額とする等の限度があります。
顧客と合意をして租税条約に関する届出書を代金送金前にあらかじめ提出し、適用される税率を20%から10%へ引き下げる方法もあります。
このときに提出する租税条約に関する届出書は「使用料に対する所得税の軽減・免除」の届出書です。
Q 韓国の親会社から商品を仕入れて日本法人で販売することを考えています。
このような形態の場合何か注意する点はありますか?
A 親子会社間の輸入仕入取引になりますが、仕入金額の設定に気を付ける必要があります。
国外の関係会社との取引価格を通常の取引価格と異なる金額にすると、一方の利益を他方の利益に移転することができます。
国外の関連企業との間の取引によって、所得の海外への移転を防止するため、その移転価格を通常の取引価格(独立企業間価格)に直して計算し、課税する制度(移転価格税制)があります。
したがって、仕入金額が独立企業間価格よりも高い場合若しくは低い場合に移転価格税制の規定の適用を受ける可能性があります。
この規定の適用があると、独立企業間価格と仕入金額との差額が損金と認められなくなってしまいます。また、代金の決済が仕入金額と大きく異なり、親会社へ多く支払うときは配当金とみなされる可能性もあります。
ですので、仕入当初から韓国の親会社から通常の取引価格で仕入れ、代金の決済も適正な金額を子会社から親会社へ送金する必要があるでしょう。
Q 日本で現地法人を設立する予定です。
資本金をいくらにするか検討中ですが、法人の資本金により税務上はどのような差異が発生しますか。
A 韓国の付加価値税に相当する日本の消費税については、資本金1千万円未満の場合には設立して第2期までの期間が、自ら選択しない限り免税となります。

法人税については、日本の場合、税務上資本金が1億円以下であれば中小法人に該当するため、受けられる特典が多いです。

まず、資本金1億円以下のとき、法人税の計算上、所得金額が年800万円までは22%の税率、年800万円超が30%の税率ですが、資本金が1億円超であれば一律30%の税率が適用されます。
また、交際費の支出額が年400万円以下であれば所得の10%の加算で済むところ、1億円超であれば全額加算となります。

備品などを購入した場合に資本金が1億円以下で大法人に所有されていなければ30万円未満の資産を購入時に一時に費用とできますが、資本金が1億円超であれば10万円未満の資産が対象となります。

法人住民税については、都民税という事務所を設置すると各都道府県によって課せられる均等割額が資本金の多寡によって段階的に引上げられています。
Q 日本で営業活動を開始しようと考えています。支店の開設と現地法人の設立とでは税務上の取り扱いにどのような差異がありますか。
A 現地法人の場合でも支店の場合でも、他の内国法人と同様に課税所得の計算を行うため、日本国内での取引については国内法の適用があり一定の所得については日本が各国と締結している租税条約の規定の適用を受けます。
  租税条約に定められた課税の特例については、租税条約が国内法に優先して適用されます。
  ですので、韓国に親会社や本店がある場合には、国内法と日韓の租税条約の規定に従って営業活動によって生じた所得につき、課税所得の計算を行います。

決算をするときの手続が、支店と現地法人では大きく異なります。
支店の場合、本店では海外の支店も会社の一部となるので、本支店合算の手続を取ります。
支店でも、支店の活動のためにかかった本社で支払った経費は、支店の経費となります。
また、本店から配賦される経費として、本店の販売費及び一般管理費のうち、支店が負担すべきものとして配賦される経費(本店配賦経費)があるならば、支店の国内源泉所得の計算上、合理的な基準による配賦計算が認められています。
そのため、支店の決算は内国法人の決算よりも煩雑な手続をといえます。

支店と異なり、現地法人の決算手続は単独で行います。
親会社の方でグループ内の会社をすべて合算して行う連結決算の手続を取りますが、子会社の方ではあくまで単独決算となります。

納付する税金としては、支店の場合、利益が出たときに納付する税金に併せて、本社の資本金によって均等割額が高額に発生する場合があります。

日本では消費税(付加価値税)の納税義務があるかどうかの判定を2年前の売上が1千万円を超えるかどうかで行います。
支店の場合は日本支店の設立時期によらず、本社の2年前の売上に日本国内での1千万円超の課税売上があるかどうかで判断するため、無い場合は第1期と第2期が免税となります。

第1期に多額の設備投資が見込まれる場合や日本国内で購入した商品を海外へ輸出するなどの事業を考えている場合は日本で第1期の設立届を提出する前に消費税の課税事業者を選択する旨を税務署へ届け出る必要があります。
Q 当社はソフトウェアの技術者を顧客の職場に派遣する業務を行っています。
今月から新しく入社した社員は年俸制の契約社員です。
支払った際の経費科目は外注費ですか。それとも給料ですか。
所得税を源泉徴収する必要がありますか。
A その契約をした社員との「契約」とは雇用契約と思われます。
雇用契約であれば「給料」勘定で処理し、源泉所得税を徴収すべきです。
契約が請負契約であれば、「外注費」勘定で処理することになり、源泉税を徴収する必要はありません。
ここで大切なのは契約書のタイトルではなく契約の中身です。
契約書を取り交わしていない場合は、仕事の進め方で判断しなければなりません。
雇用主の指示に従って業務に従事し、仕事の結果について責任を負わないものは雇用契約と解釈されます。
反対に仕事の進め方に対して指図は受けないが、(成果物についての)結果責任を問われる場合は請負契約と見ることができます。
そのほか判断がつきにくい場合の目安を以下のとおり記しました。参考にしてください。

1.対価の支払いを受ける者との間に仕事のつど契約書、発注書、請求書、領収書のやり取りをしているか。
      Yes−外注  No−給料

2.対価の支払いを受ける者は店舗、事務所などを有し、他の顧客の求めに応じて仕事をしているか。
      Yes−外注  No−給料  

3.対価の支払いを受ける者は使用人を有している者かどうか。
      Yes−外注  No−給料

4.対価の請求が一括してなされ、必要経費を自己負担しているか。立て替えた経費と手間賃を区分して請求がなされているか。
      一括−外注  区分−給料

5.対価の支払いを受けた者は事業所得として申告しているか。
        Yes−外注  No−給料

なお、外注先の場合にも源泉税の課税対象となる報酬(税理士報酬、講師料、原稿料、デザイン報酬など)がありますので注意してください。
Q 当社は今月から韓国人の社員を雇用しました。
給与にかかる源泉税は日本人社員に適用する源泉税額表と同じでよろしいでしょうか。
A 給与の源泉税の引き方は単純に分けると居住者に対するものと非居住者に対するものに分かれます。
つまり源泉の引き方は国籍で別れるのではなく居住者かどうかが判断基準になります。

・居住者-日本に住所または1年以上居所を有する者
・非居住者-居住者以外の者

居住者については当初より1年以上日本で勤務する予定の外国人も含まれますので、通常通りの源泉税額表により徴収して納付してください。
非居住者については給与の20%が源泉税額になります。
Q 社員に住まわす社宅を借り上げましたが、社員本人からいくらか家賃を徴収しなくてはならないと聞いております。
いくらを徴収すればよろしいのでしょうか。
A 本来は生活費から拠出すべき住居費用ですが、使用人から次の算式で計算した金額の50%以上を徴収していれば給与課税されません。

その年度の家屋の固定資産税評価額×0.2%+12円×家屋の床面積÷3.3+その年度の敷地の固定資産税評価額×0.22%

従来借主の立場で固定資産評価額を調べることが難しかったため、社宅賃料の10%相当額を徴収する方法が簡便的に行われてきました。
しかしこの方法は法的な根拠があるわけではないため今後とも認められるとは限りません。
平成15年より借主も賃貸契約書と本人確認できる書類(免許書など)を持参すれば、固定資産税評価額を調べることができるようになりました(法人の場合は代表者印が必要)。
簡便法で従来行ってきた会社についても今後否認されることが無いように数年に一度正式に評価額を調べて賃料を設定することをお勧めいたします。
Q 備品などの減価償却資産を買った場合に、その購入金額を経費にできる限度額はいくらまでですか。
その処理方法について教えてください。
A 少額減価償却資産の損金算入限度額は今も10万円未満です。
これに対して繰延資産は20万円未満となります。
少額減価償却資産の損金算入が30万まで可能という制度がありますが、一定の条件でのみ可能なので注意してください。

その条件とは
1.青色申告の法人または個人であること。
2.中小企業(資本金1億円以下で、大法人の子会社ではない法人、従業員1000人以下の個人)であること。
3.平成15年4月1日から平成18年3月31日までに取得し、事業のように供したものであること。
4.その事業のように供した年度に経費処理していること。
5.申告書に一定の事項を記載すること。

白色申告者、大法人の子会社については適用は無く、また適用期限(平成18年3月末まで)があることに気をつけてください。
Q 日本の居住者が韓国で勤務する場合の短期滞在者免税の適用について教えてください。
A 日韓租税条約では日本の居住者の韓国における勤務で、その年における滞在日数が183日以下の場合に日本の会社(日本法人の韓国支店負担分は除く)から支払を受ける給与について韓国で所得税を課さないこととしています。
この規定は韓国の居住者が日本で勤務する場合にも適用があります。
日本にその年において183日以下の滞在期間働いた場合で、韓国の会社(韓国法人の日本支店負担分は除く)から給与が支払われた場合にも日本で所得税を課さないということです。
この183日は暦年で計算しますので、年末をまたぐときは入国の翌日から年末まででその年分を判定し、一月一日から起算して出国までの日数で翌年の判定をします。
居住地以外で給与の支払を受けるときは「租税条約に関する届出書」の提出が必要です。
Q 私は来日2年目の韓国人です。
私の妻と子供は韓国に住んでいますが、年末調整するに当り扶養控除の適用を受けられますか。
A 扶養控除を受けるための条件は
@居住者本人と生計を一にする親族であること
A扶養者の所得が年38万円以下であること
の2点です。

あなたは韓国人ですが、日本に1年以上住所を有する居住者と認められますので、家族に生活費を送金していれば、@の条件はクリアされますし、扶養者の所得は前提として日本の国内源泉所得を指しますので、親族が韓国で働いてる場合にはAの条件もクリアにすることでしょう。
しかし、親族の韓国での収入が多い場合には、生活費の送金でなく小遣いの送金とみなされると扶養から外れることもありますので注意してください。
Q 平成16年4月より商品の販売価額を消費税を含んだ価額で表示することになるそうですがどういう点に注意しなければなりませんか。
A 平成16年4月1日より消費者に対する販売及びサービスの値段を消費税込みで表示しなくてはならなくなります。
今までのように商品ごとには税抜きで表示しておいてレジで5%加算して代金をとるということは違法になります。
この法律の適用対象となるのは消費者を対象として営業する事業者ですから、事業者間取引については従来どおりです。
もっぱら小売業や飲食業等が対象に含まれますが、業種により区分が決まるわけではなく消費者を対象とする事業かどうかで判断してください。
表示の方法は税込みの総額が表示されていれば、税抜き価額や消費税額を併記して表示することは認められます。
店頭における表示はもちろんのこと、チラシ広告など媒体を問わず総額表示しなくてはなりません。
Q 韓国のソフト会社からアプリケーションソフトを購入しました。
代金の支払いについて源泉徴収が必要でしょうか。
A 非居住者、外国法人に支払う著作権の使用料の支払いについては原則20%の源泉徴収が必要です。
ソフトウェアは著作物に該当し、その権利の対価及び使用料については使用地である日本で所得税が課税されます。
質問の場合、単にCDに記録されたソフトを自社でユーザーとして使用するだけならば、権利の対価ではなく、著作物の対価と考えることができ源泉徴収の必要はありません。
しかし、自社で複写して販売する場合には著作権の使用料又は対価と解釈されるところから源泉徴収の対象となります。
日韓租税条約により、「租税条約に関する届出書」を税務署に提出した場合には10%に軽減されます。
Q 会社の設立登記が完了しました。
税務上これからどのような手続が必要ですか。
A 税務署と都税事務所に「法人の設立届」を定款と登記簿謄本(履歴事項証明書)のコピーを添付して提出します。
また、給与の支払がある会社は「給与支払事務所の開設届」を、給与の源泉税を毎月納付するのではなく半年分まとめて支払う場合は「納期の特例の申請書」を税務署に提出します。
青色申告をする場合にはやはり「青色申告の承認申請書」を税務署に提出しなければなりません。
棚卸資産の評価方法や減価償却の方法については税法基準以外の方法を適用する場合にのみ届出書を提出します。
Q 消費税が還付されるのはどのようなケースですか?
A 消費税が還付される場合は売上に含まれる消費税よりも仕入や諸経費、設備投資で支払った消費税が多い事業年度です。
ただし、このような場合でも納税者が原則課税の適用を受ける課税事業者であることが必要です。
免税事業者や、簡易課税選択適用者は消費税は還付されません。
これらの人が還付を受けたい場合には適用年度の開始前に原則課税への変更や、課税事業者の選択を届けなくては成りません。
この場合に一度変更や選択した場合には2年間継続することが義務付けられておりますので、2年間トータルで判断する必要があります。
Q 近く法人を設立して事業を開始しようと考えています。
有限会社にしようか株式会社にしようか迷っています。
税金の計算に違いがあるなら教えてください。
A 会社の形態というよりも正確には資本金の大きさで税金が変わります。
資本金1000万の会社は設立した第1期から消費税の納税義務者になります。
1000万に満たない会社は設立から2会計年度は免税業者になります。
資本金が1000万を超えると(社員50人以下の会社の場合)は法人都民税の均等割税額(資本金や社員数に課税される税金)が7万から18万へ引き上げられます。
また法人税の税率は所得800万まで22%ですが、資本金が1億を超えると800万以下の部分についても30%の税率が適用されます。法人都民税や法人事業税も資本金1億を越えると税率がアップする仕組みになっています。
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